「2014桜見物」

 

 週間天気予報では、予定日は雨。。。
 南無八幡大菩薩!
 と祈った訳ではないが・・・当日、午後から下り坂予報も、幸いながら晴れた。
 毎年思うことだが、天気って大切。

 

石清水八幡宮

 まず訪れたのは石清水八幡宮。
 乗り慣れない京阪電車で八幡市駅へ。その駅舎すぐから男山頂上に通じるケーブルカーで出ているのだが、ここはやはり徒歩で。
 駅前のロータリーを南方へ抜け少し歩くと、一ノ鳥居が見えてきた。
 一ノ鳥居を抜けると、右手に放生池があるのだが、その先に桜が数本、しっかりと薄紅色の花弁を咲かせており、桜見物としては幸先のよい出だし。
 頓宮殿の門前にも、こちらは細身で花弁も豊富ではないが、桜が一本。
 頓宮殿を抜けて二ノ鳥居に向かう途中の駐車場に、満開の桜が数本。更に、敷地の外にさざなみ公園というのがあるのだが、そちらにも数本の桜が満開となっていた。
 二ノ鳥居を抜け、表参道の階段をひたすら登って行く。その間に桜は見当たらなかった。
 登り登って、ようやく三ノ鳥居へ。その左手に、桜が2、3本。
 三ノ鳥居から本殿へは平坦で、その間に桜はなかった。
 南総門から本殿へ。本殿にご挨拶をし、周りを見渡してみたが、桜は南総門の入って右手に一本あるばかりで(写真上部)、ここまでのところ、桜の名所というほどの景色には出会っていなかった。
 では、どこに桜が群れているのかと境内図を見てみると、南総門よりも手前を左に入った駐車場辺りのようなので向かってみると、確かに満開の桜が連なり、多くの花見客で賑わっていた。
 がだ。京都の桜の醍醐味といえば、歴史的建造物との桜のコラボレーション。そう考えて桜の撮影ポイントを思い浮かべたのだが『京都の桜』といえるのは、南総門右手奥にある一本の桜のみか、と思い至った。うーん、なんか石清水八幡宮の桜は駐車場に多いなという印象。
 それでも駐車場の奥にエジソン記念碑があり、その周囲には桜と竹が並んで良い色合いとなっており、ひょっとしたらここが石清水八幡宮内でのベストポイントかと思われた(写真下部)。
 他にケーブルカー山上駅の近くにある展望台にも、まばらながら桜があり、眺望の景色との映り合わせは見ものではあるが、それを言ったら去年の善峯寺の方が印象的で、石清水八幡宮内での個人的な桜のベストポイントは、やはりエジソン碑周辺かな、 と思えた。

石清水八幡宮ホームページ⇒http://www.iwashimizu.or.jp/

 

善法律寺

 石清水八幡宮の三ノ鳥居を出て、登ってきた表参道とは別ルートのせせらぎルートと呼ばれる散策路を下る。ってか、人っ子一人出会わない細い山道。この季節にやたらと虫が飛び交う中を掻き分けて一気に下った。ああ、膝に悪いわ。。。
 目的は善法律寺。通称紅葉寺。なので、桜とは関係ないと思われるが、一応回ってみることにした。
 結果。境内には一本の桜もなかったが、北側の門前に細身の一本の桜が。。。
 たったこれでも、足を延ばした甲斐があったというもので。。。

京都にての地図(googleマップ)

 

本妙寺

 善法律寺を出て、北へと向かう。
 その途中、一本の桜が。
 場所は本妙寺というらしい。
 予定はしていなかったが、歩けばこんな風に『京都の桜』に出会う。

京都にての地図(googleマップ)

 

背割堤

 とりあえず八幡市駅に戻ってきた。
 では、次の目的地へと電車に乗ろうと駅舎に足を向けたのだが・・・なにやら、駅舎から出てきた、いかにも花見客といった人々が、石清水八幡宮ではなく、踏切を渡って逆方向へと向かっていく。
 郷にあっては郷に従え。長いものには巻かれろ。使い方があっているようであっていないが、単純な集団心理として流されてみることにした。
 するとそこには木津川があり、対岸には堤防の上に見事な桜の連なりを見ることができた。
 下調べ不足で知らなかったのだが、宇治川と木津川を隔てているこの堤防を背割堤と呼び、その堤防の上を1.4キロの桜の帯が連なる名所として有名なのだそうだ。
 なるほど、見事な情景だ。残念なのは曇天となりつつあったこと。もし晴天の下で眺めたなら、もっと鮮やかであったろうと思われる。
 それにしても、凄い人だ。。。

京都にての地図(googleマップ)

 

墨染寺

 八幡市駅から電車に乗り、次に降りたのは墨染駅。
 駅舎を出て道を西へ。すぐのところにあるのが、目的の墨染寺。
 墨染寺といえば有名なのが墨染桜だが・・・
 境内に入ると、本殿前の狭い敷地いっぱいに満開の桜が埋め尽くしていた。見事な枝ぶり。見事な咲き誇り。
 で、これが有名な墨染桜かな?と思ったら、どうやら違ったようで。。。墨染桜は本殿の右手に、未だ時期が早く、蕾を多く付けた状態だった。
 墨染桜とは?
『①桜の一種。花は小さく単弁で白いが,茎・葉とも青く,薄墨色のように見える。
 ②墨染二のあたりにあったという伝説上の桜。藤原基経の死をいたんで上野峯雄が「深草の野辺の桜し心あらば今年ばかりは墨染に咲け」と詠じたところ,墨染め色に咲いたという。 』(大辞林より)

 写真下部が墨染桜の花弁。若干ピンボケはお許し願いたいが、墨色に見えるだろうか?
 個人的には墨色というよりも、やはり緑が印象的と感じる。故に、青さは若さであり、通常の桜と比べると成熟した情緒に欠けるが、初々しい溌剌さを感じるようだ。
 元気に咲けよ!
 そんな言葉を掛けたくなる。
 まぁ、見方は人それぞれ、って事で。。。

京都にての地図(googleマップ)

 

藤森神社

 さて、以上までが予定していた行動で、JRに乗り換えて京都駅に向かう為にJR伏見駅を目指して歩いていたのだが、そういや藤森神社が近かったな、と思い気まぐれで向かってみることに。
 藤森神社といえば紫陽花が有名だが、桜については聞いたことがなかったのだが。。。
 南の鳥居の横に一本の桜。おっ、もしかして結構あったりして、と期待が膨らんだが、お祭りの際には馬場にもなる長い参道を歩くも桜の姿は見当たらず。やっぱりないかなと本殿に近付いていくと・・・その右手に、あったじゃないですか。よく見渡せば、その他にもちらほらと桜の姿を見る事ができた。名所に見られるような咲き揃え、という程のボリュームがある訳ではなかったが、期待をしていなかったことからくる意外性と、静かな境内がお得感を呼んで、なかなかいいじゃないか藤森神社の桜、と思ってしまった。
 本殿すぐ右手の桜はすでに花を散らしてしまっていたようで、この桜が満開であったなら、いい『京都の桜』の画が撮れていただろうと思うと残念だった。

 意外性の藤森神社。
 一点、難点を挙げるとすれば・・・なんか境内を走る電線が多過ぎ?で、桜の画を撮るにも気になって仕方なかった。
 ただ、それでもなかなかに綺麗な桜でした。 

藤森神社ホームページ⇒http://www.fujinomorijinjya.or.jp/

 

 今年は訪れるタイミングが良かったようで、ほぼ満開!
 毎年、こんなタイミングを望みたいのだが、そうそう上手くいかないのが歯痒いところ。けれど歯痒くも、早いも遅いも、それもまた情緒、といったところだろうか。
 さて、勝手にランキング。
 1位は墨染寺で。有名な墨染桜の存在もさることながら、境内の狭さ故に空間の内で桜が占める密度が高く、その密度が感動を高めてくれたように思う。花見客も数人しかいなかったのが好感。
 2位は意外性の藤森神社。「意外とあるじゃん!」という喜びが全て。
 3位は石清水八幡宮。こちらは藤森神社と真逆。今回のメインだっただけに期待して訪れたのだが、やはり桜は豊富でも駐車場ばかりに偏っていたのが個人的には不満。もっと社殿とのコラボを見たかった。。。
 そして番外は背割堤。ボリュームでいえば間違いなく今回の1位。けれど『京都の桜』という視点から見ると番外、ということで。

 そんなこんなで、今年も京都に春が訪れました。。。

(2014/04/09)

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