「2015紅葉見物」

 

 10月下旬。
 その日は紅葉目的で京都を訪れた訳ではなかったのだが、意外と色付いていたので諸事情(後述)によりご紹介。

 

神光院

 最初に訪れたのは神光院。
 正門を入ってすぐの所にある一本の木が、まるでそこだけ季節が先行しているかのような色付きで葉を広げていた。
 その他、境内にある幕末の女流歌人大田垣蓮月が晩年を過ごしたという茶室、蓮月庵の周りに薄らと葉先を染めた木が立つ。
 他には本堂の前の池の周りに、あと正門入ってすぐ右手にある弁天池の周囲にも葉先を染めた木が見受けられた。
 これらの木々が一斉に色付き最盛期を迎えたなら、中々の見応えが期待できるかもしれない。

 うーん、今度は紅葉目当てで来てもいいかもしれないな。

京都にての地図(googleマップ)

 

西方寺

 次に訪れたのは神光院から西に向かった西方寺。
 こちらの境内は非常に手入れが行き届いている感じがした。が、それが却って紅葉見物という観点からすると小奇麗過ぎる様な。
 ただ、正門の左手の塀から覗く葉ぶりの良い木は、色付いたなら良い情景となるだろう。

 

正伝寺

 最後に訪れたのは正伝寺。
 こちらは今回訪れた中では最北に位置するのだが、色付きはまだまだだった。
 そもそも、色付くような樹木が少ないのかな?とも思える。

京都にての地図(googleマップ)

 

 そして11月中旬。こちらが紅葉見物本番!
 今回は宇治を訪れてみた。
 しかしだ、なんだか今年は気温が高いな。訪れた日も日が陰ればそれなりに涼しいのだが、日差しがあるところでは上着を着ていると暑くて仕方なかった。
 紅葉は急激に冷え込むと綺麗に色付くというが・・・全然冷え込んでないけど大丈夫かな?

 まず向かったのは三室戸寺。
 京阪の三室戸寺駅を出て三室戸寺に向かって歩く右手にある水路の木々の葉は、すでに落ちて冬支度が完了している模様。おや、これは心配をよそに意外と紅葉が進んでいるのかな、とも思ったのだが・・・

 

三室戸寺

 到着した三室戸寺。
 三室戸寺といえば紫陽花が有名だが、五千坪を有する大庭園では秋の紅葉も見応えあるというが――
 うーん、見るからに色付きが薄い。てか、本当に日差しが暖かい。まだまだ緑が活き活きと日差しを受けて輝いてる。力強い庭園。力強い境内。・・・全然、さびてない。。。
 一方ですでに枯れている葉もあり、期待する色付きが整う環境の難しさを痛感する。特に今年は難しいか。

『暮れはつる 秋のかたみにしばし見ん 紅葉散らすな御室戸の山――西行』
 ※三室戸寺パンフレットより 

 秋のかたみ・・・というより、そもそもまだ秋は訪れていないのか?
 タイミングを完全に失敗したな、という感想ばかりを浮かべ、境内を後にする。

三室戸寺ホームページ⇒http://www.mimurotoji.com/

 

興聖寺

 次に訪れたのは興聖寺。
 興聖寺の紅葉といえば参道の琴坂が有名だが、三室戸寺の様子からすると全然早いかな、と不安を抱きつつ訪れてみると・・・全然早かった!
 坂の下の方はまったくと言っていいほどに色付いていなかった。どうにか坂の上の一部が色付いていたが、琴坂の光景として有名な「紅葉のトンネル」と呼べるような光景は見ることができなかった。
 日差しが差し込むと、薄い色付きであっても、これはこれで綺麗だなとは思うのだが、やはり紅葉といえば燃える様な光景を期待しているだけに、不完全燃焼感は否めない。

京都にての地図(googleマップ)

 

 後日。
 今年は各地で平野部の紅葉が進まずに紅葉のイベントを延期する地域が多いとのニュースが出ていた。
 更に、 国連の世界気象機関(WMO)によるとエルニーニョ現象の影響で今年の平均気温は過去最高を記録し、来年はさらに上昇する見通しとの発表があった。
 ってことは、来年は今年以上に色付きが遅くなる可能性がある訳だ。
 更に先の話になるが、某番組では2050年の京都の紅葉の見頃がクリスマス頃になるとの予測も。

 ――そして突然やってくる冬将軍。
 地球温暖化が叫ばれて久しい。その原因は人為的なものか、はたまた地球そのものの周期によるものなのかは定かではないが、日本文化が花開いてから当然のように続いてきた四季の移ろいが崩れつつあるのを感じてしまう数年になるかもしれない。

 という、タイミングを外した言い訳。
 結果、物足りないから付け足した10月の色付き始め。

 今、その視界に映る景色を惜しむべし、惜しむべし。。。

(2015/12/03)

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