太秦映画村

「太秦映画村漫遊記」

 

 太秦映画村といえば京都でも指折りの観光スポットであり、その知名度も絶大なものがあるだろうが・・・管理人は未だに一度も足を向けたことがない。中学の修学旅行の時に、その知名度から訪れる候補地として挙がったような気もするが・・・それ以来とんとご無沙汰だ。そもそも管理人はテーマパークというものが得意ではない。簡単に言ってしまえば天邪鬼な人間なので、右を向けと言われれば左を向きたくなり、楽しませようという必死な姿を見ると、そう簡単に楽しまされてなるものか!と身構えてしまうというか。要は鬱陶しい客なのだ。迎える方もいい迷惑だろう。
 それはさておき、そもそも太秦映画村の沿革を辿ると、オープンは1975年に遡る。思った以上に歴史があり驚いた。
 太秦映画村のコンセプトは施設名からもわかるように、もちろん『映画』だ。その中でも運営会社が東映ということもあり時代劇が主なコンテンツとして公開されている。

 9月某日。管理人が太秦映画村を訪れた日は生憎の雨模様。入場料は大人一人2200円。正直、高い。
 とにかく入場する。勝手がわからないので、行き当たりばったりに覗いてみると、いきなり暴れん坊将軍の館に入った。実は余り暴れん坊将軍は見たことないもので、なんとなく通り過ぎ、併設されていた超忍者隊イナズマ!展に至っては・・・まったくわからな。管理人世代で戦隊ものといえば、サンバルカンとか・・・それこそどうでもいい話だが、そんなこんなをやりすごし、運がよければ撮影も行なわれるというオープンセットに出てみると、雨脚は更に強くなり、地面はぬかるみ、そして修学旅行らしき子供が多い。なにか個人的に最悪の状況。ひとまず傘をさして歩いていくと、すぐに芝居小屋中村座の前に出た。小屋の入り口の辺りで新撰組隊士の格好をした人が、これから忍者ショーが始まると言うので小屋に入った。中は小さな劇場で、客はまだほとんど入っておらず、せっかくだからと一番端っこの列の最前列に陣取った。それから数分、次第に満席になり、ショーが始まった。
 ショーの内容は、豊臣家再興をもくろむ根来の集落に徳川家の公儀隠密の忍者が潜入して連判状を奪いに来たというものだった(でも、なぜか題名は「伊賀惣国の乱」根来って和歌山じゃなかったっけ?)。手元のパンフを見ると、出演者欄には「宍戸大全アクション軍団」とあった。出た!宍戸大全!つい最近、日本最初のスタントマンとテレビで紹介されていたので、ショーとは関係ないところでテンションが上がった。そんなアクション軍団の出演者の皆さんなので、ショーの中では素晴らしいアクションを数々繰り広げていた。やがて物語は進み、とうとう公儀隠密の忍者と根来の親玉の対決となった時!・・・親玉がつかつかと舞台から降りて管理人らの方に向かってきたと思ったら、一緒に行っていた人間が親玉に人質に取られた。共々爆笑。そうなんだよねぇ、一番前に座っていると、こういうことがあるんだよねぇ。しかし、突然のことだったので共々苦笑いするばかりで上手いリアクションがとれず。後々考えれば、もっと乗っておけばよかったと思ったが後の祭り。でも、まぁ、いい思い出だろうか。そんなこんなで、ショーはおよそ20分で終了した。
 小屋を出ても雨は相変わらず。オープンセットをぶらぶらすれば、おっ、め組の暖簾が。その近くにはなぜか池田屋が。そんな感じで歩いていたのだが、気が付けばすぐに行き止まり。想像以上に敷地が狭くてびっくりした。これだけ?という、ちょっと肩透かしをくらったような。それでオープンセットを後にし、今度はガラス張りスタジオなるものへ行ってみた。ここは読んで字の如く、スタジオ内がガラス越しに覗けるというものだ。管理人が訪れた際にも撮影が行われていて「本番!」という声がかかると見ているほうにもちょっとした緊張が伝わってきて面白かった。ただ、完全な見世物として行っている訳ではないので視野が限定されていて、出演者達をよく見渡せないのが残念なところだ。これで有名な役者さんでもいたならば、テンションももっとあがっただろう。まぁ、有名な役者さんが登場するスタジオなのかどうかは知らないが・・・
 そんなこんなで敷地内をぐるっと一周。途中、時代劇あらカルトQなるものをやっていて、10問全問正解だと記念品が貰えるイベントをやっていたので挑戦。結果は余裕の全問正解(歴史好きなら簡単)。有名どころの役者さんのサインが印刷された手拭を貰った。単純に嬉しかった。
 とりあえず歩き回って疲れたので、スタジオマーケットなる建物に入っているカフェへ。これといって口にしたいものもなかったのだが、せっかくなので黄門様カフェオレなるものを注文。出てきたのはクリームの乗ったカフェオレ。どこが黄門様なのかというと、水戸黄門と印字された器を使っていただけ。まっ、こんなもんだよ。ちなみにその器はお土産物としても売っていた。

 結局中には2時間から3時間近く居ただろうか。
 感想・・・うーん、残念ながらもう一度2200円を払ってこようという気持ちにはなれないかも。。。
 ただフォローするならば、まず東映の映画好きなら多く興味をそそられるものがあるだろう。また、オープンセットで行われる撮影に出くわすことができたなら、また感想も変わってくるだろう。それと日本一の斬られ役として有名な福本清三さんのショーは見たかった。ただこのショーは日曜日にしかやっていないようなので、訪れる際には前もってどのようなイベントが行われているか下調べをした上で訪れるのがよいかもしれない。
 今思うと、管理人が訪れた日は天候といい、余り運がなかったのかとも思う。
 つまり、漠然と映画村を訪れた人が楽しめるかどうかは、運次第?
 管理人は、運がよければ里見浩太郎さんを見たかったなぁ。水戸黄門の助さんといえば里見浩太郎さん!の管理人としては、里見浩太郎さんを一目見られたなら2200円も高くない!と思えただろう。
 そう考えると・・・場合によっては、また行ってもいいかも?

(2009/10/09)

 ※後日談。
 2010年、明けましておめでとうと「柳生武芸帳」という時代劇を見ていたら、なにやら見たようなシーンが。
 あっ、太秦映画村のガラス張りスタジオで撮影していたシーンだ!っていうことは、あれは速水もこみちさんだった訳だ。
 ちょっとテンションがあがったミーハー管理人。。。

太秦映画村ホームページ⇒http://www.toei-eigamura.com/

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