竹取物語

<竹取物語>

<店舗名:京洋菓子司ジュヴァンセル>
<価格:2100円>

 

 まずもって、管理人にパウンドケーキを好んで食べるという習慣はない。特定の理由はこれといってないのだが、一つ挙げるとするならば、お子ちゃま味覚なので、余り洋酒を含んでいるものが好みではないからだ。
 次に、管理人は大して味覚に優れていない。こう書いてしまうと元も子もないのだが、自慢できる程の鋭敏な味覚は持ち合わせていない。故に、味覚で判断する以前の判断材料として、見た目というのは嗜好を大きく左右する。

 京洋菓子司ジュヴァンセルの竹取物語。正体はパウンドケーキなのだが、その見た目がすでに美味!

 「美味しそう」という、なんとも曖昧な友人からの情報を頼りに辿り着いたこの一品。京洋菓子司ジュヴァンセルのホームページをまず拝見し、写真を見て「おお、確かに美味そう!」と思ったのだが、いざ実際に購入し、ビニール袋を開封の上、包んでいる竹包みを開いたら、まぁ、なんと凸凹しているのだろう!栗と黒豆がゴツゴツと。こんなに凸凹が嬉しいと思ったことがあっただろうか。
 嗅覚はゴマの香ばしい香りを捉え、ますます前触れが美味。

 では、早速頂く。
 フォークで刺して口元まで運ぼうとしたら、栗さんがゴロゴロリン♪と転がってしまった!大粒の栗が転がる姿も、また楽しいものだと微笑ましく・・・。
 で、頂いた。まず柑橘系の風味が広がり、薄っすらと洋酒が香った。うん、洋酒がきつくなくて食べやすい。でもって食べ応えは満点。そんなに黒豆と栗が好きならば、それ単独で買って食べればいいではないか、なんて野暮な突っ込みはおよし下され。この組み合わせだから膨らむ魅力というのもあるのだ。
 うん、美味しい。強い癖がある訳ではなく、親しみの持てる味わいに思えた。しつこくないから、どんどん食べられてしまう。もう一切れ・・・おっと、一気に半分行ってしまった。一日で食べつくすには勿体無い。だって・・・結構いいお値段がするんですもの・・・小市民の管理人には、高・級・品。
 ご馳走様でした。

 竹取物語といえば、竹の中から美しい姫が現われるものだが、この竹取物語の竹包みの中からは、

「見た目凸凹して美しくないが、それがなんとも愛らしい」

 お菓子が現われる。

 ――昔々、竹取の翁(管理人)というものありけり。京都を歩きて竹を探しつつ、京洋菓子司ジュヴァンセルを見つけたり。

 同店別商品:さがの路

(2008/05/10)

京洋菓子司ジュヴァンセルホームページ⇒http://www.jouvencelle.jp/

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