< 和ショコラ ”あずき”>
<店舗名:BRUNBRUN>
<価格(税込):1500円>
京都は老舗企業の宝庫だ。
菓子店だけとっても、多くの店舗が今も伝統の技術を引継ぎ人々に親しまれている。
それは京都ならではの和菓子店だけではない。洋菓子店もまた、長い歴史を綴っている。
BRUNBRUNは創業80周年を迎えたのだとか。1935年創業というから昭和10年。戦雲迫る中、店は開かれたことになる。
きっと訪れたであろう苦難を乗り切り、80年もの間、人々に愛され続けてきた味とは、さていかに。
今回は和ショコラ ”あずき”を紹介。新作で、量数限定らしい。限定・・・魅惑の響き。。。
ああ、見た目から美味しそう。表面にまぶしたナッツの香ばしい風味と食感が・・・
と思ったら、まさかのあずき?ここであずき?どうやら、フリーズドライしたあずきを砕いたものを、表面にまぶしているようだ。まさかの徹底振り。これだけで面白さ半端ない。
香りは・・・う~ん、高貴な。と、チョコレートの高貴のなんたるかは知らないが、とても香り高い。ベルギー産を使用しているとか。
頂いてみる。
表面にまぶされたあずきはナッツのような歯ごたえはない。フリーズドライとはいえ、やはり実の密度が違う。それでも充分に食感に変化を与える役目は果たしている。
中のホワイトチョコレートはとても柔らかい。生チョコレートの食感といえば伝わるだろうか。
しかし、チョコレートがとても濃厚だ。周囲はミルクチョコ。中はホワイトチョコ。それぞれの風味がとても高い。
そしてあずきの風味が柔らかく浸透していき、余韻を漂わす。
ああ、うめぇ。うめぇっす。
食感も楽しいし、風味も良し。
最初は味わう為に少しずつ齧りながら食べていたのだが、次には一つまるごと口に放り込んでみた。
すると、表面の硬度による食感はこちらの方がより楽しくなる。
更に変化としては、齧りながら食べるよりもあずきの存在感が倍増する感じだ。齧りながら食べていた時はチョコレートが主役であると感じたものが、一つまるごと食べた時にはあずきが主役に入れ替わった感覚を覚えた。
共に美味しい。後は好みの差だろうが、個人的にはチョコレートを主役として、あずきを脇役としておいた方が好ましかった。
なので、後はひたすら齧り続けた。ああ、美味い。
和ショコラというだけあって和洋折衷の一品となっているのだが、ただ組み合わせるだけならば単純にチョコレートの中にあずきを含ませるといった発想になりそうなものだが、フリーズドライの砕いたあずきで周りをコーティングするという発想に称賛を送りたい。
それ故に独特な食感が生まれ、チョコレートとあずきの風味をそれぞれに楽しめる一品となっている。
一歩先の発想が光る。
継続とは、決して留まって成すものではない。絶え間ない一歩一歩の繰り返しなのだろう。
それが、人々に親しまれる老舗の強さか。