濃茶水晶飴

<濃茶水晶飴>

<店舗名:丸久小山園>
<価格(税別):450円>

 

 今の時代、本業だけに勤しんでいるだけでは先細りしてしまうことが多々ある世知辛い世の中だ。
 本業をいかに強みとして、活かした新展開を求めなければ企業として生き残れないし、拡大もないだろう。
 お茶を専門に扱う企業も同じだ。お茶を飲むという習慣が薄れる時代、お茶の消費を維持し、かつ拡大する為には、もちろん海外に進出することも一つの手ではあるが、新たな消費スタイルを模索、提案していく必要があるのだろう。
 それを実践している中心地こそ、京都ではないだろうか。
 京都の風味といえば抹茶。今や抹茶風味は各所に溢れている。
 当然、お茶の製造販売を行う企業も、ただ自社のお茶を、抹茶風味の商品を製造する各企業に提供するだけではなく、独自に強みを活かした商品開発を進めているようだ。
 それに、お茶を熟知した専門企業が作った商品となれば『茶』という部分においては消費者が抱く商品価値のイメージは格段に上がるだろう。
 そこで今回は元禄年間創業の丸久小山園が販売する『濃茶水晶飴』を紹介。

 水晶飴というだけあって、見た目に美しく、中に詰められた最高級という濃茶が宝石のように美しい。
 封を開けた際の香りは特にしない。
 早速、口に入れてみる。原材料を見ると、飴の部分は砂糖と水飴だけとあった。甘味の強い懐かしい味。
 そんな懐かしい味を味わう事、数分。中の抹茶が出てきた。抹茶をそのまま封じ込めているので、とても、とても濃い抹茶。苦味を含みつつ、でも、とても香り高い。ああ、きっとよい抹茶なんだろうなぁ、と必要以上に納得。
 さすが、お茶の専門店が作り出した飴。最初は甘い時間が続くが、最後の主役が登場して美味しいところをかっさらってくという感じ。
 見た目同様、風味も二色はっきりとわかれて楽しめる一品。
 もちろん、溶け合ってもまた美味しく頂ける。

 なんでも飴の部分は飴匠『京の飴醍醐』で製造しているようで、その作り方は独自の胴の平鍋を使用し、通常の飴の製造よりも10倍以上の時間を掛け、独自の食感を生み出しているのだそうだ。
 なるほど、確かに飴に少し脆さがあり、その砕けた飴の破片が普段口にする飴よりも細かかったように思える。
 独自の強みをより活かす為には、相性もあるだろうが、また別の強みを組み合わせるということで表現されることもあるのだろう。
 独自性の結晶体。
 飴が澄んでいるからこそ、濃茶の緑はより鮮やかに美しい。

(2015/07/12)

丸久小山園ホームページ⇒http://www.marukyu-koyamaen.co.jp/

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