いちご大福

<いちご大福>

<店舗名:与楽>
<価格(税別):240円>

 

 なぜ大福に苺を入れる必要があったのか。
 その誕生は昭和後期だそうだが、今でこそ定番商品となっている感があるが、どう考えても当時は邪道であっただろう。大福に水気の多い生鮮食品、ましてや苺を入れるなんて!と。
 しかし、考えてみれば苺に練乳は王道で、苺に甘味を足す仕組みは元々あった訳だ。後は餡子をプラスするという冒険をしてみる事が肝心で。
 冒険は見事な成果となって、今や見事に定着した。この成功を切っ掛けにして大福に、入れるは、入れるは生鮮食品。若干、ついていけない部分もあるが、大福の汎用性を垣間見る。

 そんないちご大福を、1日最高8000個を売り上げたというのが、今回紹介する与楽のいちご大福。
 今回は通常のサイズと、土日限定というビックサイズ(写真左/1個350円(税別))を購入してみた。
 さて、1日8000個の実力はいかに。

 ぷっくり柔らかそうなフォルム。見た目に良し。
 香りは特にしないが、あえていうなら餅米(上新粉)の香り。
 頂く。
 食感は、柔らか、且つ伸びのある羽二重餅。その中に包まれた餡はしっとりとし、苺はサクッとジューシーに。 餅の水気の低さとの対比で、苺のジューシー感が際立つ=新鮮さを強調して感じる。
 味は、苺の酸味と軽い甘味の白餡のバランスが素晴らしい。苺を果物以上のモノ、まさに菓子にしている。
 今までは赤餡(黒餡)の苺大福は食べたことがあったが、白餡は初めて。 白餡の特徴であるあっさりとした風味が苺の酸味と旨味を上手に引き立て、苺を主役として称えている。
 まさに、苺が主役の苺大福。
 ビックサイズは、より苺が強調され、食べごたえも満点だった。
 うん、美味しく頂いた。

 いちご大福の善し悪しはなにできまるのだろうか。
 個人的には苺の酸味と餡子の調和と思っていたのだが、与楽のいちご大福はその他にも苺のジューシーさもまたいちご大福の特徴なのだと教えてくれたように思う。苺は自然のものだけに、人工的な工夫は凝らせないとも思えるが、考えてみれば農業技術というものは素晴らしく発展しており、いちご大福に適した苺を選択するセンスこそが、より良い、いちご大福を生み出すポイントなのだろう。
 新鮮いちご大福。
 大福という商品にあってジューシーさが好ましいのは、いちご大福ならではだろう。

 同店別商品:いちじく糖菓/いちじくパイ

(2016/04/21)

与楽ホームページ⇒http://www.kyougashi-yoraku.com

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