ちりめん工房

<ちりめん細工>

<店舗名:ちりめん細工館>
<価格:350円(写真上段のキャベツストラップ)>

 

 このところ、管理人の携帯には必ず野菜がぶら下がっている。始めは茄子だったか。次にトマトで、今はキャベツ。思わず頬張ってしまいたくなるような・・・というのは大袈裟・・・というよりも嘘で、そこまでリアルではないのだが、なんとも微笑ましく、管理人にとってはとても魅力的な姿なのだ。その微笑ましさを引き出しているのが、ちりめんの柔らかなふっくらとした質感ではないだろうか。その質感が、野菜をして一つのキャラクターに仕上がっている。

 最近では、本当に多くのちりめん細工が京都には溢れている。現代の日本では、日頃なかなか手に触れることのないちりめんで作られた商品は、その質感といい、味わいといい、日常親しんでいる合成繊維などにくらべて素朴な温もりがあり、京都観光のお土産としては格好の商品なのだろう。管理人も同じ形状の商品ならば、どちらかというと化学製品のようなものよりも、ちりめん細工の方に魅力を感じやすい。
 そんな魅力を持つちりめん細工を多く扱っているのがちりめん細工館で、その店内にはそれこそ季節に合わせ、豊富な可愛らしい姿の人間や動物達のキャラクターが店内を彩っている。それらは本当に可愛らしく、魅力的である。だがなぜ、今回京都に多くあるちりめん細工を扱う店舗の中でこのちりめん細工館を取り上げるかというと、この店舗には野菜やお寿司をかたどったちりめん細工を置いているからなのだ。正直、管理人は可愛らしいキャラクターのちりめん細工は買おうというまでの食指は動かないのだが、どうしたことか野菜やお寿司のちりめん細工は欲しい!と思ってしまったのだ。
 なんと言おうか・・・その本来キャラクター性のまったくない筈の野菜やお寿司が、ちりめん細工の商品としてキャラクター性を獲得してしまっている理不尽でもあるような珍しさに、管理人は参ってしまった。野菜やお寿司を擬人化すれば、ありきたりのキャラクターであるのだが、ここの商品は野菜やお寿司がそのままの姿でキャラクターになっているのだ。それはちりめんの質感がなせるわざか。

 まさにちりめんは、一種の魔法の生地である。
 お陰で管理人は今日も喜んでキャベツのストラップを携帯に付けている。今度はイクラの軍艦巻きをストラップに付けようか。管理人のちょっとした楽しみでもある。

 ちりめんの魔法は、京都を訪れる人々の心を決して強引にではなく、柔らかく惹き付ける。

(2008/07/10)

ちりめん細工館ホームページ⇒http://www.chirimenzaikukan.com/

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