<チーズ肉カレーうどん>
<店舗名:おかる>
<価格:1050円(税込)>
「京都行ってきました」という報告があったとする。
「何食べたの?」と質問があったとする。
「カレーうどん」と返答があったとする。
「・・・なんで?」
「あえて」
「あえて?京都で、あえてのカレーうどん?」
京都であえてのカレーうどん。
場所は祇園。店舗名はおかる。
なんでもカレーうどんが名物なのだとか。更にメニューで一押し(メニュー表上部に一番大きな写真を載せていたので、そう判断)していたのが『チーズ肉カレーうどん』。ならば、一押しを頂いてみよう。
出てきたカレーうどん。いや、チーズ肉カレーうどん。見た目、普通に美味そうである。
香りも普通にカレーである。
まずはスープから。うん、出汁も効いていて美味しい。カレーの風味もしっかりしている。ただ、個人的には若干辛味がきついか。なお、カレーに対する辛味嗜好は完全にお子ちゃま舌であることをここに注記する。
では、うどんを頂く。うどんといえば讃岐うどんのようなコシの強いものが良いという先入観があるが、このうどんは柔らかい。もちろん、ぼそぼそとか、切れやすいとかそんなことは全然ない。しっかりと、つるつると吸える。けれど、食感は柔らかい。なので、おそらくなんらかの効果を狙ってのこの柔らかさなのだろうと推測。そんなうどんにカレー出汁はよく絡み、風味豊かに頂ける。ただ、やっぱり辛い。と、ここでチーズが重要な役割を果たす。二口目は、もうごちゃごちゃかき混ぜてから麺をすくって食べてみた。食感はそのまま、けれど余分な(個人的には)辛味という味覚の棘を、チーズの濃厚な味わいと舌触りが包み込んでくれ、実に好ましい味に変化してくれた。なるほど、これがチーズ効果の威力か。
肉は柔らかく、ネギはシャキシャキと。
麺をつるつる、つるつる。
と、完全にペース配分を間違えて出汁が多く残ってしまった。うーん、これをスープとしてひたすら飲むというのもありだが・・・ここはやっぱりカレーといえばライスでしょう、ということでライスを頼んで出汁に投入。結局カレーライスとして締めました。
うん、美味しかったです。
京都であえてのカレーうどん。
例えば、観光客目当てにするのであればカレーの具材に京野菜をふんだんに入れるという方法が考えられる。そうすれば、ある程度の「京都らしさ」が付加され、京都であえてのカレーうどん、も若干の筋が通るというものだろう。
だが、おかるのカレーうどんはそんなのお構いなし。何故なら、別に観光客を相手にしている訳ではないからだ。いや、もちろん観光客を取り込んでいるのは間違いない。けれど、決して観光客向けの商品ではない。「京都らしさ」を見せない、実に地元の人の為の美味しいカレーうどんなのだ。
京都であえてのカレーうどん。
余程のカレー好きなら、
「そこにカレーうどんがあったから」
となるだろうが、ここはあくまでも京都観光を視点とし、
「京都の日常が知りたくて」
そんな回答が模範解答となるだろうか。
ディープな京都の楽しみ方はカレー色。
それもまた一興で。