<五穀鶏の唐揚げ銀シャリ御膳>

<店舗名:八代目儀兵衛>
<価格(税抜):1500円>

 

 普段の主食はお米だ。
 パンも定期的に食べているが、主食はお米と断言できる。
 で、普段どんなお米を食べているかというと、基本馬鹿舌なので、銘柄には拘らず、お値打ち価格を求め彷徨う。もちろん日本米であるというのが前提だが。
 それに栄養面を考慮し、玄米と大麦を混ぜて炊いている。白米2の玄米0.5、大麦0.5の割合がベースだ。
 炊飯器にも特に拘りなく。
 基本的に腹が膨れればOKというスタンス。なので、日頃お米に美味しさを求める意識は希薄だ。
 そんな日頃からお世話になっていながらも、お米に対して無関心野郎に鉄槌を下すべく現われた?のが、今回紹介する『八代目儀兵衛』かもしれない。『八代目儀兵衛』は「究極の銀シャリ」を標榜し、米料亭としてお米を主役とした料理を提供しているお店だ。
 果たして、こんなお米無頓着馬鹿舌野郎に、どんな鉄槌が下されるのか。

 訪れたのはお昼なので、数種の「銀シャリ御前」の中から「五穀鶏の唐揚げ銀シャリ御膳」を注文した。それと、卵かけご飯にする為に「美山の子守唄」 (1個税抜き:185円)という卵を追加注文してみた。
 では頂く。まずはお味噌汁で箸先を湿らしてからと。
 お米。見るからに輝いている。そして普段食べているお米ではよく見かける、表面の割れたお米を全く見ない。お米の質、焚き方の問題なんだろうが、こうして見た目にも綺麗な米を見てしまうと、普段無頓着に見逃していたお米の表情というものがこれ程までに変わるものかと感心する。
 それでは一口。ははーん、見た目通りに一粒一粒がしっかりと舌触りとして感じることができる。そして噛む。上質なデンプン質とでもいえばいいのだろうか、弾力があり、粘り気があり、そして風味に甘味がある。普段食べているお米と、全然違うな、これ。さすがの馬鹿舌でもわかるこの違い。
 とりあえず、白米だけでひたすら一杯。で、おかわり自由なので、早速おかわりをする。すると、二杯目には一片のおこげを乗せて出してくれた。きたよ、おこげ!とテンションが上がる。早速前歯でカリカリと。いいね、この食感。いいね、この香ばしさ。
 ここでようやくから揚げを頂く。てか、美味い!このから揚げ美味い!本来ならば、主役であり、一番の売りである白米をとことん褒め称えるべきなのかもしれないが、このから揚げうまっ!カリカリの衣にジューシーな鶏肉。旨味がこれでもかと口の中に広がる。白米の美味しさもはっきりしているが、それを上回る、インパクトのある明確な美味さ。これは白米に分が悪いわぁ~。
 二杯目のお米はおしんこを摘みながら。チリメン山椒をかけて、海苔で巻いて食べてみたりしながら。うん、美味しい。美味しいのだけど、駄目だ。気持は最早、から揚げに・・・
 いや、しかし、ここでもう一度お米に気持ちを持ってくるべく、三杯目は卵かけご飯に。「美山の子守唄」の殻を割り、個人的なスタイルとしてそのままご飯の上に落とす。とても濃厚で、豊かな弾力を思わせる立体的に厚みのある黄身。卵かけご飯用の醤油をかけて、ご飯と混ぜる。均一に混ぜたところで、頂く。うん、美味い!卵の濃厚な風味があり、卵を混ぜたにも関わらず、塊となることなく一粒一粒が存在感を主張するお米の独立性。卵かけご飯も時々やるのだが、まぁ、違いますね。ここで、ぐっと再びご飯の美味さに引戻された感じとなったが・・・
 やっぱ、から揚げうめぇ!てか、もっとから揚げ欲しい。から揚げのおかわり駄目ですか?(おかわりはないけど、単品の追加注文なら可能だった模様。。。)
 そして、から揚げもなくなり、卵かけご飯も完食し、予定ではこのぐらいで満腹になるかなと予想していたのだが、なんかもう一杯いけそうな気分になり、ご飯四杯目に突入。最後は備え付けのお塩のみを振りかけて。うん、これも美味い。個人的嗜好により、感動の大部分をから揚げに持って行かれてしまった感はあるが、お米は、さすがに美味しかった。
 「究極の銀シャリ」鉄槌。鉄槌というよりかは、座禅における警策を頂いたという気分だろうか。
 お米に対する無関心の目が覚めました。。。

 現在、とても人気のある『八代目儀兵衛』。予約は昼の部と夜の部に分かれているが、概ね一か月先まで満席の様だ。なので、訪れるなら当日店舗に行って並ぶしかないのだが、並ぶにも店舗ルールがあるので一応ご紹介。
 実際に開店するのは11時からなのだが、10時には記帳台が店頭に置かれるので、まずそちらへ氏名と人数を記入する。その上で、10時50分までには店頭に戻っておく必要がある。ここで記帳に従って店員さんが確認を取るのだが、もしこの時に店頭に戻っておかないとキャンセルになってしまい、また最後尾に並ぶということになるので要注意。確認作業が終われば、後はひたすらじっと我慢。今回、紅葉ピークの時期ともあり、10時45分頃に記帳して入店できたのは12時50分頃だった。概ね2時間並んだことになる。そして入店してからは、食事時間が最大50分となっている。座席数も少ないので、外で並ぶ客の為に回転数を上げるという意味では仕方がないのだろう。ただ思うに、視点を変えれば席の回転数を上げられるということは店舗にとっても都合の良いルールとも言える。まぁ、それはさておき。。。
 あと、並ぶことは性格上、余り苦ではなかったのだが、ここで難点を一つ。八代目儀兵衛があるのは八坂神社と東大路通を挟んだ北側となっており、とにかく車の交通量が多い為、待っている間に排気ガスを吸い込むことになる。ああ、マスクを持ってくればよかった、と思ったことを、ここに報告しておく。

「究極の銀シャリ」
  並んだ甲斐は、ありました。

(2018/11/26)

八代目儀兵衛⇒http://www.okomeya-ryotei.net/

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