よろい草&焼くり

<よろい草&焼くり>

<店舗:笹屋湖月>
<価格(税込み):よろい草115円/やき栗75円>

 

 よろい(鎧)=むかし、戦争のときに着て、体を保護した武具。(三省堂国語辞典より)
 どんだけ硬くて歯応えがあるのだろう!その名を見ただけで心地よい歯応えを求め続ける管理人の顎は歓喜に震えたとか震えなかったとか・・・

 という訳で、その名と姿に惹かれて今回は笹屋湖月の「よろい草」(写真左)を購入してみた。見るからにゴツゴツとしていて、例えるならば鎌倉時代の大鎧を思わせるようないかつい姿だ。矢でも鉄砲でも持ってこいって感じか?ならば我が治療痕いっぱいの歯牙にて挑まん!!
 封を解くと小麦の香ばしい香りがふんわりと漂った。では早速と指先で摘んでみたのだが・・・あれ?思ったよりも柔らかい。とりあえず一口、我が歯牙を突きたて・・・るまでもなくあっさりと、というよりもボロボロと崩れた。とんだ見掛け倒しの鎧だことで。と品名をよくよく見れば「よろい草」。草で作った鎧?それとも鎧のような草?どっちにしろ草じゃないっすか。ってことは脆い筈で・・・。
 気を取り直す。食感は思ったような歯応えはなく、すんなり噛み切れた。皮が崩れるので要注意。
 さて、よろいの下には粒餡が入っている。この粒餡は美味しい。甘ったるくなく、小豆の風味がよく出ている。そして皮の内側には砂糖が塗られているようで、皮自体には特に味はないのだけれど、その砂糖が粒餡と溶け合うことによって程よい甘味となり口内に広がる。甘味のバランスがとても良い。
 うん、美味しい。残りも美味しく頂いた。
 その姿と名に一時は騙され(管理人の勝手な思い込み)失望を味わなくもなかったが、それでも風味に不足はなく最終的には満足した。
「よろい草 名に違いなき 確かな味」
 それこそ皮ももう少し硬くしていただけると、管理人的にはいうことなしだ。

 また併せて「焼くり」(写真右)も購入してみた。なるほど見た目は栗を炙ったような感じで見事な作りだ。
 封を解いてもとりたてて漂う香りはないが、しいて鼻を近づけてみると白餡の香りがかすかに感じられた。
 それでは一口。歯を立てると、ホロホロと崩れた。どうやら皮で包んでいるのではなく、あくまでも白餡を固めただけのもののようだ。そしてなるほど、その白餡には栗の実の欠片が散りばめられて栗の風味を表現している。白餡は甘ったるくなく食べやすい。が、どうもいまいち栗の風味にかけるような気がする。管理人は「栗」と商品名にあれば強い栗の風味を期待してしまうのだが、栗がほとんど存在を主張してこないので少々物足りないような感じがした。ただこれはあくまでも和菓子なのだから「栗」と銘打っても栗を前面に主張させる必要はないと言われれば、強く栗の風味を求めるのは野暮な話なのかもしれないが。
 が、充分に美味しいと思えた。
 ごちそうさまでした。

(2009/05/07)

京都にての地図(googleマップ)

京都にての一品トップへ トップページへ