栗どら&金の実

<金の実&栗どら>

<店舗:くりや>
<価格(税込み):金の実5個入1050円/栗どら168円>

 

 栗といえば秋が旬。昨今は技術の進歩により一年中味わえるとはいえ、やはり今や梅雨に入らんとするこの季節、旬の頃の風味からはどうしても劣ってしまうのではないかという素人考え。現に京都においても栗を使用した有名な一品は、京都にての一品で紹介している老松の「栗しぼり」でもそうだが、秋限定のものが多い。にも関わらず店舗に「くりや」を掲げ、栗商品で一年中勝負を挑むとはなかなかの豪胆さといえるだろうか。しかもその商品を「金の実」(写真右)ときた。これは試してみなければならない。そう使命に駆られ?管理人は一路くりやへと走った。

 「金の実」は綺麗に皮の剥かれた栗が一袋ごとに包まれている。まぁ、なんと丁重な扱い。高級さを演出することこの上なしだ。なんでもかつては天皇陛下もお買い上げになったという誉れ高きお菓子。
 そもそもこの「金の実」の別名を栗納豆というのだそうだ。甘納豆というお菓子があるが、要は栗の砂糖蜜漬けということになるのだろう。オレンジの包装からとりだした姿は、栗!栗そのものだ。香りは特にしなかった。
 さて頂く。砂糖蜜でコーティングされているだけに表面は少々硬い。突き立てた前歯に程よい抵抗感を感じ、その食感が管理人には何ともいえないが、更に顎に力を込めてさっくりと口に含んだ。うん、栗!最初にしっかりとした栗の風味が口内に広がる。栗を食べているという満足感を充分に与えてくれる。けれど「金の実」はただの栗にあらず。咀嚼を繰り返していくと徐々に甘味が強くなっていき、お菓子としての余韻をこれまた充分に味わわせてくれる。これこそ栗の旨味を残したまましっかりとした和菓子に仕立て上げた職人技といえるだろうか。
 見た目と共に味もとてもシンプルではあるが、シンプル故の素直な美味しさがある。残りの半分も美味しく頂いた。

 確かに旬には旬の旨味がある。これは間違いない。
 だが「金の実」には栗菓子としての季節に囚われない美味さがあることも、これまた間違いない。
 自分で食べるのも勿論だが、ちょっとした上等な贈り物としても最適かもしれない。

 

 併せてくりやの「栗どら」(写真左)を購入したので、こちらも頂いた。
 包装を破ると香ばしいドラ焼の生地の香りが広がり、その姿も見事な焼色で、これぞドラ焼の真骨頂だ。
 早速頬張る。ふんわりとした生地に、管理人が大好きな粒餡がしっかりと詰まっている。餡は甘過ぎず、小豆の旨味が良く出ている。その餡の中に一粒の大きな栗が入っていて、その栗を頬張るや、また違った味わいとなる。いうなれば、秋の豊潤な味わいといったら大袈裟か。
 まぁ、特筆するようなインパクトがある訳ではないが、普通に美味しく頂戴した。

(2009/05/24)

くりやホームページ⇒http://www.kuriya.biz/

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