黄味餡ぱん

<黄味餡ぱん>

<店舗名:三木鶏卵>
<価格(税込み):黄味餡ぱん150円/黒豆黄味餡ぱん200円>

 

 阪急電車を主に利用している管理人は、京都を訪れるとよく錦市場を歩いている。
 両側に並んだ活気強い多くの店舗。目まぐるしく興味の視線を移しつつ行き交う人々。
 管理人もなにか美味しそうなものの発見はないかと探りつつ人の波に乗って流れていくのだが、その日は普段は何気なく通り過ぎてしまっている店舗の前で思わず立ち止まってしまった。それが卵を取り扱うの専門店、三木鶏卵。今までも出汁巻き卵が美味しそうだな、と立ち止まったことはあったが、どうも買おうという思いにはならず素通りすることが多かったのだが、ディスプレイの上の籠に盛られたその商品を目にした時に気にならずにはいられなかった。その名も黄味餡ぱん。
 この日売っていたのは黄味餡ぱん(写真右)と、12~1月限定という黒豆入りの黄味餡ぱん(写真左)。とりあえず両方購入してみた。

 帰宅後、早速頂く。まずは普通の黄味餡ぱん。見た目は写真の通りに普通のパン。表面には照り出しの卵黄が塗られ、中心にキビをまぶしてある。小麦と卵黄の香ばしい香りが漂う。ふっくらとした生地を二つに割って中を覗くと、商品名通りの黄味餡が詰まっていた。白餡をベースに卵黄を混ぜたもの。
 一口。まず普通にパンが美味しい。ふっくらとしているが柔らかすぎずに弾力がある。そして問題の餡。そもそも管理人は意識して黄味餡というものを食べたことがない。おそらくどこかしらで口にしているのだろうが、黄味餡を黄味餡と認識して食べるのは今回が初めてだ。そんな状況の下で食してみた黄味餡は、特に卵黄が強調されている訳ではないのだが、やはり普通の白餡とは違った風味になっている。なんとなく赤とも白とも違う、白餡寄りだけれども、ちょっとだけ中間にずらした餡の風味とでも言おうか。甘ったるさはなく、しっとりとしていて美味しい。とても食べやすい。
 続いて黒豆入りの黄味餡ぱん。見た目の違いは表皮の中心にまぶされているのが黒胡麻。中を割ってみると、黄味餡の中に大きな黒豆が数粒含まれていた。黒豆好きな管理人にとってはなんとも見た目に美味しそうな姿だ。
 一口。ああ、柔らかく煮込んだ黒豆は美味しい。しかしだ、どうも黒豆の風味が強すぎて黄味餡の風味が後ろに隠れてしまっているような気がする。完全に主役の座が入れ替わってしまったような感じだ。これならば、ちゃんと黒豆を主役に据えたパンを食べている方が良いように思う。もちろん、美味しいことに間違いはないのだが、黄味餡ぱんを名乗る以上、ちょっと組み合わせとしては惜しいところか。
 結果的に言えば、管理人としてはペーシックな黄味餡パンの方がよいと感じた。

 卵と餡パン。実は親しいけれども、イメージ的にはまるでかけ離れているような二つの存在が、黄味餡という共存可能な食材となって見事に融合したといったところだろうか。
 卵専門店ならではの拘りの一品といえるだろう。

(2010/01/11)

京都にての地図(googleマップ)

京都にての一品トップへ トップページへ