伊予柑「京柑露」

<伊予柑「京柑露」>

<店舗名:笹屋伊織>
<価格(税込み)682円>

 

 今年も早6月に入った今日この頃。しかしながら寒暖差が激しく体調の管理が難しい日々が続いているが、それでも着実に季節は夏へと向かっている訳で。
それに伴い、京都のお菓子屋では今年も夏を意識した商品が次々と出ている。
そんな中、今回は笹屋伊織の伊予柑「京柑露」を頂いてみた。
 伊予柑の中身をくり抜き、その中にゼリーを注ぎ込み固めた一品。

 包装を解くと、伊予柑の爽やかな香りが漂い、それだけで涼しさを呼ぶかのようだ。ご丁寧にしっかりと蓋まで閉じてある。
 蓋を開けると淡い琥珀色のゼリーが光を反射し美しく、早速の一口を急がせる。
 では、と一口頬張る。ゼリーの食感は硬め。最近近所のスーパーなどで売っているゼリーは柔らかいものが多いように思え、それはそれで好きなのだが、硬めのゼリーも口の中でホロホロと崩れる食感がこれはこれで好きだ。
 さて、問題の味はというと・・・果物ゼリーという感じではない。正直管理人は果物ゼリー!という期待の元で一口食べたので「おや?」と思ってしまった。せっかくの伊予柑のジューシーさというか柑橘系の持つ酸味がほとんど感じられないのだ。しかし、考えてみればこれは和菓子屋さんが作ったのだがら、ゼリー風の和菓子と思った方がよいようだ。そうすると、そこにあるのはあくまでも上品な甘さの、見た目通り透明感のある雑味の無い味わい。伊予柑の香りがなるほど充分に涼やかだ。
 あっという間に完食してしまった。もう一個ぐらい全然いける。

 上記の理由から、もしかしたら評価は二分されるのかもしれない。果物そのままの味を求める人にとったら正直物足りないだろう。けれど、そんな味を求めるならスーパーのゼリーでも足りる。ここにあるのは和菓子だ。和菓子の技術の中で涼やかさを求めて生まれたのが、この伊予柑「京柑露」であろう。ならば、その心構えで向かい合うのがベストな味わいを生むのではないのだろうか。
 和菓子の涼がここにある。
 今年は冷夏の予想だが、それでも欲しくなる一服の涼味。

 同店別商品:どら焼

(2010/06/07)

笹屋伊織ホームページ⇒http://www.sasayaiori.com/

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