<夏柑糖>
<店舗名:老松>
<価格(税込み)1260円>
『甘夏、グレープフルーツなどを使った類似品がございますが、当舗とは一切関係がございません。「夏柑糖」は夏みかんのみを使用しております』
上記は夏柑糖の袋の中に添えられていた商品パンフレットの一部を抜粋してみた。そこからは夏柑糖という商品に対する老松の並々ならぬ誇りが感じられる。
老松のホームページによれば、戦後まもなく庭にあった夏蜜柑の果実に、少しの砂糖と寒天を合わせて作ったのが始まりという。その歴史こそ、老舗和菓子屋としての誇りの表れか。
まぁ、とにかく食べてみなければわからない。
夏柑糖。値段の先入観もあってか、まず見た目に豪華。一個一個が大きく、立派な夏みかんを使用しているのが明らかだ。
封を開ければなんともいえない、柑橘系といえば、当然柑橘系のさっぱりとした香り。この香りだけで涼味が鼻から肺へと入り込む。
蓋を開ければ上記写真の通り。ここに至って、夏みかんの厚さがわかる。これだけ立派な厚さがあるのだがら、充分な香気を含んでいるのもなっとくができる。
では、早速頂く。
夏柑糖はゼリーではなく、あくまでも寒天。口に入れた食感は少々硬めの感覚。けれど却ってホロホロと崩れた時に一時残る粒の硬さは舌に転がり心地がよい。そして、さらりと溶けていく。
味はといえば、夏みかんの酸味がとても活かされている。まず口に入れるとパッと酸味が広がり、そして後味としてゆっくりと甘味が口に染み渡る。その染みること唾液もまた美味くする。この唾液に残るような旨味の感覚を管理人は意外と大事にしていて、それは早々に次を切望する我が味覚の要求と捉えることができる。
そこそこ量はあったが、あっという間に美味しく完食。
酸味の強さ。それがクエン酸を多く含む夏みかんの特徴らしい。
その酸味を活かしきる甘味とのバランスが絶妙だ。原材料を見れば「夏みかん果汁、砂糖、寒天」とだけある。まさに素材の特徴を活かしきった一品といえるだろう。
夏柑糖は夏みかんです。そして寒天です。
まさに老松の職人さんの誇りが凝縮した一品といえるかもしれない。
ちなみに――
残念ながら今年の発売は8月10日を以て終了した模様。
気になった方は来年を楽しみにお待ちください。
同店別商品:香果餅(&栗しぼり)