長五郎餅

<長五郎餅>

<店舗名:長五郎餅本舗>
<価格(税込み)6個入り/840円>

 

 京都・観光文化検定試験公式ガイドブックには京菓子の項目として北野天満宮門前の2種類の京菓子の名を挙げている。一つは粟餅所澤屋の名物菓子である『粟餅』。そしてもう一つが、今回紹介する長五郎本舗で販売する『長五郎餅』。
 その由来に登場するのがかの太閤豊臣秀吉。天正15年(1587)、秀吉は北野大茶湯を催した。その様子は、北野天満宮の拝殿に秀吉自慢の黄金作りの茶室を飾り、秀吉が収集した名物茶道具の数々を披露し、更に特設された4つの茶席では、秀吉と千利休、津田宗及、今井宗休が茶頭を務め、身分の上下を問わずに茶を振舞ったといい多くの人で賑わったという。
 この席上、秀吉は一つの餅を頬張った。それは河内屋長五郎という人物が献上した餅だった。その餅を秀吉は大層気に入ったといい、以後その餅を「長五郎餅」と名乗るべし、と相成ったそうな。
 400年の時を超え、その長五郎餅がついに目の前に。。。

 まぁ、見た目普通の餅である。なんやかんやと奇抜さや珍しさを求めたくなるが、長く愛されるのはやはりスタンダードな姿という訳で。
 手にした時のお餅の弾力もしっかり。
 では、いただく。一口でも充分に頬張れそうな大きさだが、とりあえすは半分。餡を包んでいる餅皮は薄めで、餡は漉し餡なのだが・・・なんだろうこの餡のみずみずしさは。水っぽいという訳ではないのだが、とてもしっとりとしている漉し餡だなという感想。これは管理人の扱いが悪かった?からこうなってしまったのか、それとも元々こういうものなのか。長く愛されるのはやはりスタンダードと上記しておきながらなんだが、この餡の食感は意外や意外、余り出合ったことない珍しい食感だった。個人的にはとても面白い食感に思え、そのトロトロ餡と餅が口内で馴染む風味には、とても親しみやすさを感じた。

 全体の印象としては、やはりパンチの強さというものはないが、歴史に裏打ちされたその風味に間違はいない。
 よし、以後「トロトロ長五郎」と名付けよう!
 もちろん、個人的に。。。

(2010/09/17)

長五郎餅本舗ホームページ⇒http://www.chogoromochi.co.jp/

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