キャラメルブリュレパイ

<キャラメルブリュレパイ>

<店舗名:ガスパールザンザン>
<価格:(1個)1155円(税込)>

 

 京都駅に隣接する伊勢丹の食品フロアをうろちょろしていたら、店員の男性がしきりに「いつも行列を頂いております。あとここにあるだけです」とアピールしていた。
 『限定』ああ、そのレア感を喚起する言葉。よく日本人は限定物に弱いと言われるが・・・終わりある故に、儚くも美しき人生かな。。。
 つまり、なにが言いたいかというと――まんまと好奇心を喚起されて買ってしまったのよ、残り限定の『キャラメルブリュレパイ』。
 まぁ、見た目にもふっくらとし、表面の焦し加減も絶妙で美味しそうだったから選んだのだと、これは自分の意思だ!と強がってみる。

 ともかく自己弁解はさておき、頂いてみた。
 『キャラメルブリュレパイ』を入れた箱を開けた瞬間、表面を焦した香ばしい香りに顔面を襲われた感じがした。その香りだけで、美味い!
 写真で撮影することを考えて、切り分ける為に包丁を差し込んでみた。すると、小気味よいサクッとした絶妙な感触が包丁伝いに掌に伝わって、それだけで美味い!
 と、食べる前にハードルを上げに上げる結果となったが、一口入れてみた。まず、サクサクとした食感は間違いない。大概、こういうパイケーキは底の方は重層になって重たくなっている場合が多いのだが、底もだいぶ薄らとした感じになっていて、食感としてとても軽い感じだ。そして中に入っているカスタードも、味、量共に軽い仕上がりで、軽い食感との相性を重要視したような作りになっていた。なので、少し重いものが好みの人にとっては若干軽すぎる印象を持つかもしれないと思った。それでも、バランスを考えればこれはこれで非常に美味しく、あっという間に半分を完食してしまった。そしてなによりのお気に入りは、やっぱり表面の香ばしさ。焦し最高!以前から好きではあったが、最近はより甘味の中の程よい苦味を嗜好するようになってきているので、この焦しは個人的にツボだった。
 いや、実に美味しかった。

 一言でいうと、軽さを追求したパイケーキ、と言ったところか。
 なので、好みは色々とあるかと思う。今現在の個人的状況からすると、この軽さはとても好ましいのだが、正直、只管に重い物を求めていた若い頃では物足りなく思ったかもしれない。
 ただ、それは糖度と、ケーキの実質的質量の問題であって、サクッとした小気味よい食感と、焦しの風味は例え若い頃でも好感を抱いていただろう絶品の作りだった。

(2013/04/22)

ガスパールザンザンホームページ⇒http://gaspardzinzin.com/

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