大納言

<大納言松露>

<店舗名:亀屋友永>
<価格:315円(100g)>

 

 小豆の透き通る姿は心憎い演出か。はたまた、口の中で転がる想像に狂わす策謀か。
 すり蜜で中途半端に隠された小豆の肉感は、隠される程に豊かに、濃密に、歓喜の想像を刺激する。
 小豆がころりと転がるように、管理人の心もまた、その姿にころりと参ってしまった。粒餡好きの人間に、これ以上そそる姿があるだろうか!

 大納言は一般的に『松露』と呼ばれるお菓子だが、そもそも『松露』とはなんぞや?ということになると、どうやら『松露』と呼ばれるキノコが元のようで、松露キノコの形状に似せた和菓子を『松露』と呼ぶようだ(他には松露饅頭などもある)。

 さて、今回は量り売り100gで購入してみた。
 早速、頂戴する。
 あっ、甘~いぃぃぃ~。すり蜜の甘さが口内に纏わり付くようだ。余りの甘さに舐めるのを諦めた管理人は、ついにすり蜜の衣を噛み砕いた。・・・おお、少々ぱさついた小豆の断面にすり蜜(正確にはすり蜜が溶け込んだ唾液か?)が吸い込まれ、甘さが調和されて豊かな甘味となった。この豊かさは小豆の風味か。
 なるほど、松露とはこうして食べるものなのだなと得心がいった。どうも貧乏性の管理人は、一気に食べてしまうのがもったいなくて、まるで飴でも舐めるように口中にてすり蜜の衣を味わっていたのだが・・・そりゃ甘すぎる訳だ。
 もう一個、今度は最初から前歯で半分に噛み分け、手元に残った半分の断面を眺めながら、残りの半分を咀嚼した。咀嚼した上で舌に転がし、充分に味わう。うん、やっぱり外のすり蜜と中の粒餡が一体となってこその、この調和した旨味があるなと思った。
 手元に残った半分の食べ、これ以上食べると糖分の過剰摂取になりそうな気がしたので、ここで、ご馳走様でした。

 ちなみに、この亀屋友永には、大納言をスケールアップしたような<岩ごろも>という商品がある。その姿はまさに岩のようだ。後日、そちらも頂いたのだが、そちらはち~と管理人にはボリュームがあり過ぎて、お腹一杯って感じだった。。。ので、管理人には丁度良い、大納言を紹介する運びとなった。ボリューム的に大納言に満足できない方は、どうぞ岩ごろもを求めてみてはいかがだろうか。

 粒餡派の管理人にとって<大納言>は、「見た目の美味さと、食した美味さ」が一体となった、気分的にとても満たされる一品だ。

(2008/03/10)

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