焼きあづき

<焼きあづき>

<店舗名:亀屋良長>
<価格:1050円(税込)>

 

 ある加工食品を作る際に、発生する廃棄物というものがある。けれど、その廃棄物を工夫することによって立派な商品になったりすることがある。例えばおから。おからは豆腐を作る際に大豆を絞った残り滓のことだが、栄養的に優れ、様々な料理に活用されている。
 そして和菓子の世界でいうと、例えば漉し餡。漉し餡は小豆を裏ごしして皮を取り除くという工程があり、一般的に残り滓の小豆の皮は捨てられる運命なのだが・・・
 今回紹介する商品は、そんな捨てられる運命にある小豆の皮を、ぼうろ生地にたっぷり混ぜ込み焼き上げ、立派な商品とした一品。その名も『焼きあずき』。なんでも、小豆の皮には豊富な食物繊維(100gあたり46.3g)が含まれているのだとか。

 見た目は和菓子とは思えない、どちらかというと洋風なクッキーの様。
 開封すると、香ばしい小麦の香りが漂う。まさにクッキー。
 では、早速頂いてみる。
 まずは食感。いいねぇ~!クッキーの食感というと「サクサク」というイメージだが、それよりももっとハードな感じで「ザクザク」とした歯応え。小気味よい歯応えが好きな人間にとってみると、癖になる食感。
 また、これが小豆の皮をたっぷり混ぜ込んだ効果なのだろうか。まるでナッツを混ぜ込んだクッキーを食べているかのような食感。そして風味。おそらく、材料をなにも知らずに食べていたとしたら「ナッツが入ってるんだ・・・」と、知ったかぶりで間違える自信あり。
 周りには和三盆をまぶしているようで、程好い甘味と小豆の香ばしさが楽しめる。
 なるほど、小豆の皮を利用すると、こういう食感、風味になるのかと、少々驚きと共に美味しく頂いた。

 日本語の「もったいない」という言葉は、環境分野で初のノーベル平和賞を受賞したケニア人女性ワンガリ・マータイさんによって「MOTTAINAI」として提唱され、今や世界共通語となっているそうだが、廃棄されるべき小豆の皮を工夫により美味しい一品とした「焼きあずき」は、まさに「MOTTAINAI」精神を体現したお菓子といえるのではないだろうか。
 日本文化の一端を「美味しい」で表現した一品だ。

 同店別商品:cube-チョコレート小餅-
 同店別商品:焼きカカオ

(2014/01/09)

亀屋良長ホームページ⇒http://kameya-yoshinaga.com/

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