<都めぐり>
<店舗名:俵屋吉富(JR京都伊勢丹)>
<価格:900円(税別)>
購入の動機。
それは――見た目。
まぁ、可愛らしいじゃありませんか。
左から、春の桜、初夏の若葉、夏の大文字、秋の紅葉、冬の椿ってところでしょう。
繊細なお仕事で。
で、これがどんなお菓子かといえば、糖蜜ボンボン。
原材料を見る限り、特に味の変化はないようで。
うん、見た目に綺麗だねぇ。
と、充分に目で楽しんでみたところで、お菓子は食してなんぼ、と小さな一粒を摘む。
香りは特にない。
口に放り込み、舌の上に置いてみる。表面の糖の甘味が口内に広がり・・・うん、甘い。それから上顎と下で挟んで唾液を浸透させていくと、やがて外側の糖が溶けて崩れ、中から蜜がトロリと出てきた。うん、益々甘い。
最後は糖と蜜が混ざり合って、残った糖の欠片をガリガリと楽しむ。
甘い。そして――甘い。
以上。
複雑な風味を楽しむお菓子ではないことは確かだ。
茶請けとして、目で楽しみ、甘味を口に留めるに最適なお菓子といえるだろう。
個人的には、この一粒の形状と甘味は、朝のおめざに良いのではないだろうかと思った。甘味は当然ながら、蜜がトロリと出てくる舌触り。糖をガリガリと噛み砕く食感。それらの変化も合わさって、しっかりと寝ぼけた脳を起こしてくれるのではないだろうか。
そして、カラフルな見た目は、一日の始まりに気分の色を添えてくれるだろう。
なんにしろ、都の風情を思い、目で楽しむ。それが一番の一品だ。
(2014/05/01)