したたり

<したたり>

<店舗名:亀廣永>
<価格:1100円(税込)>

 

 京都の夏を彩るお祭りといえば、7月いっぱいをかけて執り行われる祇園祭だろう。
 中でもメインは山鉾巡行で、今年からは前後の両日に分けて33基の山鉾が巡行した。
 その山鉾に一つに、菊水鉾がある。
 『菊水鉾は能楽、枕慈童(菊慈童)の曲に菊の露のしたたりを呑んで七百歳の長寿を保ったという中国の故事に因んで作られた鉾です。近年まで町内にあった金剛能楽堂の庭内には洛中名水の一、菊の井という井戸がありました。祇園祭にはこの井戸に因む菊水鉾が立ち――』(『したたり』包装紙の説明文より)
 そんな菊水鉾と由来を同じくするお菓子が今回紹介する『したたり』。説明文は以下のように続ける。
 『――またこのお菓子は能楽、菊の露「したたり」にあやかって作られた不老長寿の銘菓です』
 ってことで、『したたり』一口、目指せ700歳!

 封を開けると、おお、黒糖の香りが漂う。
 原材料は砂糖、黒糖、水飴、和三盆、寒天。おのずと香りでは黒糖が主役になるようだ。
 見た目には透明感があり、瑞々しく、色合いとしては最初に『琥珀』という言葉が思い浮かんだが、それよりもずっと濃厚だ。これもまた、黒糖の色合いというべきか。
 では、頂く。
 うーーーん、甘露!あっ、甘ひ。。。
 風味でも主役はやっぱり黒糖だった。砂糖?水飴?和三盆?――黒糖でしょう!とにかく、黒糖の風味豊か。
 舌触りの滑らかさ、寒天のホロホロ感もあり、口内に充満する甘さ――いや、甘ったるさとあえて書こう――に暫時「甘い」「甘い」と発言を連発してしまったのだが――
 人間の慣れとは不思議なもので、二口、三口と進むにつれ・・・癖になってしまうのはなんでだろう。。。
 うーん、甘露かな。

 不老長寿!とまではいかないまでも、黒糖はミネラル分の多い糖として知られており、生命維持い欠かせない栄養豊かな銘菓といえるだろう。
 特に夏場は汗によりミネラル分が奪われる為、暑さに消耗した体に一口頬張れば、その甘露たるや――

(2014/11/26)

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