「2013紅葉見物」

 

 11月中旬某日。
 観測史上、最高に暑かった10月を終えたと思ったら、寒さは順調に訪れ、今年もしっかりと葉が色付く季節を迎えました。
 さて、今年はどこに行こうかと考えた結果、岩倉の方面には余り行ったことがなかったので、そんならそっち方面で、ということで四条烏丸から地下鉄に乗って最終駅の国際会館前まで一気に北上してみた。

 

実相院

 まず訪れたのは実相院。
 実相院で紅葉といえば、磨き抜いた黒光りする床に紅葉の姿が映る「床もみじ」が有名で、それを第一の目的として訪れたのだが・・・どうやら少々時期が早かったようで、床に映る紅葉の色付きが浅かった。それでも部分的に色付き、床にもしっかりとその色合いが反映されていた。例えるならば、輪郭のしっかりとした写実的な反映というよりも、輪郭が曖昧な、色合いを強調した抽象的な反映、とでも言えばいいだろうか。絵画的な風景がそこにはあった。写真厳禁だったのでここにその光景を載せることはできないのが残念だが、却って訪れた者にしか味わえない風情がそこにはある、ともいえるだろう。
 その他に目を転じると、実相院には二つの庭がある。まず目にしたのは東山を借景とした見晴らしの良い石庭(写真上部)。庭の左手に連なる木々が真っ赤に染まった時はさぞや見ものだろうと思われるが、残念ながらこの日はやはり色付きが浅く、鑑賞に最適とは言い難かったが、幸いの青空もあり、見応えはしっかりとあった。
 もう一つの庭が、奥の書院と客殿との間にある山水庭園。こちらは石庭とは異なり限られた空間に世界観を凝縮したような庭で、植えられた木々も色付きが浅いものもあれば、早くも見頃を迎えた木々もあり、それらが庭の池に映り込んだ姿(写真下部)は、床もみじの曖昧な反映とは異なり、磨き上げられた鏡に映っているようで、そればかりか陽光を受ける角度の影響だろうと思われるが、直接目にするよりも池に映り込んだ光景の方が演出されたかのような色合いの鮮やかさがあり一層美しく見えた。なるほど、あえて映し込んでその光景を楽しむ妙がこういうところにあるのかと感心してしまった。

 圧巻の風情、という程ではないが、要所に季節を感じられる風情を配しており、なるほど紅葉の名所として名が挙がるのも頷けると思えた。
 そりゃ、団体さんも来るよね~・・・って、一気に大量の人が建物内に押し寄せてきたので、名残惜しくも慌てて実相院を後にした。。。

実相院ホームページ⇒http://www.jissoin.com/

 

実相院前公園

 これはおまけ。
 実相院前の公園にて。
 いや、見事。
 眺めながら用意してきたおにぎりを頬張った。
 ただの手製おにぎりも、美味いねぇ~。

 

三宅八幡宮

 実相院を離れて徒歩で東に向かい、道なりに南下。
 次に訪れたのは三宅八幡宮。
 さすがに疳(かん)の虫封じが有名な神社だけあって、子供連れの親子の姿が多く見受けられたが、目的の紅葉というと、境内の中心部に僅かに色付いた姿を見る程度だった(写真上部)。
 その他には南側の参道右手に池があり、その周辺の木々が僅かに色付いていた(写真下部)。

三宅八幡宮ホームページ⇒http://www.miyake-hachiman.com/

 

蓮華寺

 三宅八幡宮から更に南下し、途中から東へ。
 次に訪れたのは蓮華寺。
 下調べの段階では紅葉でそんな有名ではないのだろう、と高を括っていたのだが・・・着いた早々に観光バスから団体さんが次から次へと。なるほど、有名なんだなと実地にて知る。
 さて、門を潜り拝観料を支払うと、さっそく色付いた木々が出迎えてくれた(写真上部)。が、やはり色付きが浅い。京都の北部だからと思って時期を決めたのだが、それでもまだ早かったようだ。ただ、地面にはすでに色付いた葉がだいぶ落ちていて、見下ろしても見上げても、色のある光景に包まれていた。
 建物に入り、庭園を眺める(写真下部)。が、やっぱり表面的に色付いてはきていたが、奥まった葉はまだまだ青く、見たまんまに色付きに深みがなかった。もし本当に庭園の葉が深く色付いた時には、見応えのあるものになるだろうと想像できた。それだけに、時期を合わせる難しさを改めて痛感するばかりだった。

京都にての地図(googleマップ)

 

 蓮花寺を後にし、東へ向かい崇導神社へ。
 山の中にあるから紅葉の一つもあるだろうと思い訪れたのだが・・・
 これは時期の為か?それとも紅葉には無縁なのか?
 色付いた木は一切なかった。境内は鬱蒼とした木々に包まれ、ひたすらに薄暗く。
 ちなみに、崇導神社祀神はかの早良親王
 なにやら、雰囲気があり過ぎる。。。

京都にての地図(googleマップ)

 

栖賢寺

 栖賢寺。
 崇導神社の東側にあります。
 観光寺院ではないので、公開はお望みではない模様。
 なので、多くは語らず。
 でも、境内は自由のようなので、訪れた際にはマナーを守りましょう。
 って、決して観光寺院だったらマナーを守らなくてよいなんてことはないので、あしからず。。。

 

妙円寺

 この日、最後に訪れたのは松ヶ崎大黒天として有名な妙円寺。
 夕暮れ迫る中、辿り着いた境内にはポツリ、ポツリと色付いた木々を見ることができた。
 恐らくここもまだ色付きが深まるには早すぎたと思われるのだが、紅葉の名所という感じではない。木が生えていたら、そりゃ色付くこともあるでしょう、ってなぐらいな感じだろうか。
 ここのメインは、やっぱり大黒様だ。

妙円寺ホームページ⇒http://matugasaki-daikokuten.net/

 

 以上、今回は明らかに時期が早かったようだ。
 「秋が深まる」という言葉があるように、秋の情緒を堪能するには、もう少し深まった時期に訪れたかったが、時期を合わせるというのは難しいものだとつくづく感じた。
 さて、とりあえず勝手にランキング。
 今回は実相院と蓮華寺でワンツーフィニッシュ!団体客を乗せた観光バスがやってくるところは、やはり間違いなしといったところか。しっかりとした見どころを持っているといえるだろう。
 そして第3位は・・・大きな声じゃいえないが栖賢寺。ここでも多くは語るまい。

 

(2013/12/08)

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