京ippon

<京ippon>

<店舗名:加加阿365>
<価格(税込):1080円(小)>

 

 冬だ!
 そうだ、以前紹介した加加阿365の『お干菓子佇古礼糖』。特にホワイトチョコとピスタチオの「南天」が売ってないかな?と思ってサイトを見たら今年も販売しているようで。
 一年振りの南天を恋しく祇園にある加加阿365を訪れた。
 が!訪れた時間が遅かった為に・・・売り切れていた。無念。
 で、手ぶらで帰るのもなんだったので店内を見ていたら――以前、訪れた時にも気になっていた抹茶テリーヌの「京ippon」が目に入った。うーん、折角だからと思い購入してみた。
 てか、そもそもテリーヌってなんだ?余り我が人生に関わりのない、なんだかお上品そうな響きだが・・・
 調べてみた。
 『つぶして調味した魚・肉・野菜などを陶製の器に入れ、天火で蒸し焼きにした料理。冷まして薄切りにし、前菜に用いる。本来は、その器をいう語。』――デジタル大辞泉より
 なるほど。なんとなくイメージするものは・・・食べたことあるかな?
 とりあえず、そんな製法をとったお菓子なのね、という認識を抱く。

 では頂く。
 箱を開けると、まず「温めた包丁で薄めにカットしてお召し上がり下さい」と文字が目に入る。
 包丁を温める?まず、そこからが問題。包丁を温めたことなんかない。どうする?ガスコンロで炙る?熱湯をかける?部屋を見 渡せば・・・おお、電気ストーブが点いているじゃないか。電気ストーブでとりあえず包丁を温めてみた。初体験。。。
 指示通りに薄めに切る。柔らかい。おそらく、包丁を温めていないと上手く切れないのだろうという柔らかさ。
 香りは・・・特にしないかな。
 一切れを口に入れてみる。おお、なるほど。全体的にはトロっとしている。しかしその中にも外側は比較的しっかりとしていて、中心部に近付くほどにトロッとしている。柔らかさ一辺倒ではない、食感、というよりはその全体の柔らかさからすると舌触り、といった方が正しいか、その変化が面白い。
 そして風味は濃厚に。その中でも、中央にのる濃緑の部分に濃い抹茶の風味が込められている。更にその下にはビターな風味のチョコレートが隠されていて、全体を構成するホワイトチョコレートと抹茶を組み合わせた濃厚ながらもまろやかな風味の中に、マンネリ化させないアクセントを加えている。

 後引く風味に口の中がぽわーんとする。一種の幸福表現。
 濃厚な風味が素材の滑らかさによって口内の浸透力を増し、そんな食後感を生み出すのだろうか。
 なお、包丁を温めて切るという行為には、断面を熱で溶かし、より滑らかさを演出する効果もあると考えられる。
 ああ、この豊かなる味わいよ。
 今日一本食べちゃいたい気分。。。

(2016/01/18)

加加阿365(マールブランシュ)ホームページ⇒http://www.malebranche.co.jp/cacao365.php

京都にての一品トップへ トップページへ