<ローカカオビーンズ>
<店舗名:カカオマジック>
<価格(税別):1500円>
チョコレートの原材料はカカオ。最近では異常気象による不作や、需要の高まりによりカカオ豆の価格が高騰しているというニュースを見たことはあるが、カカオ豆そのものに出会う機会はなかなかない。巷で高カカオを謳うチョコレートも、どこまでいってもチョコレート。以前紹介した亀屋良長の『焼きカカオ』なんかも、カカオ豆の皮を使っているという点ではチョコレートよりかはカカオの存在を強く感じさせてはくれるが、それでもやはり実体は見えない。
カカオ豆ってどんなんだろうね、と思っていたら、カカオマジックではそのものを売っていてびっくりした。
一体、どんな味なんだ?と好奇心をそそられ。。。
(写真左)大きさはアーモンドぐらいか。形はアーモンドの様に均一ではなく、一つ一つ不揃いにひしゃげている。
天日干しした、ローストしていない生のカカオ豆とのこと。
封を開ける。おお、なかなか強烈な香り。なんて表現したらいいのだろう。例える香りが思い浮かばない。酸味を感じるのだけど、当然それだけではない・・・そのものの香りばかり追っていると全然イメージが出てこなかったので、高カカオのチョコレートの香りをイメージしてみると――ああ、はいはい、チョコレートだ、とようやく繋がった。けど、結構遠いものだなぁ、という感想。ただ、嫌な香りではない。嗅ぎ続けて慣れてくると、結構癖になる香り。
食べてみる。天日干ししてあるだけに、ガリガリとした歯応え。と同時に、ボロボロと崩れていく食感。
広がる風味は――やはり、一番の印象は酸味だろうか。咀嚼を繰り返すと次に訪れるのが・・・これも例えるのが難しいのだが、カカオ豆独特なコクとでもいえばいいのだろうか。つまり、一番チョコレートをイメージしやすい風味。そして苦味がやってきて――ひたすら咀嚼を繰り返していると、カカオ豆のコクか?とした風味を中心として酸味の苦味が調和し合い・・・ああ、最初は初めての風味に戸惑ったけれど、慣れるとこれまた癖になるかも。
チョコレートの素材であるカカオ、というイメージで食べてしまうと、お世辞にも「美味しい」とは思わないのだが、あくまでもカカオ豆という素材そのものとしての風味と捉えるならば、なるほど、なかなか面白い風味だな、と。
ついでに加工された商品も試してみることに。
まずはキャンディドカカオビーンズ(写真中央/税別1550円)
『液体のココナッツシュガーでコーティングしディハイドレーターにて 48℃以下で 乾燥させたローカカオビーンズ』との事。
液体のココナッツシュガーでコーティングされているので、見た目に照りがあり、香りも上記したローカカオビーンズほど漂わない。なんとなく、大人し目、という印象。
一粒口に入れてみる。まず、甘い。食感も、上記のローカカオビーンズより硬質で粉々に崩れる感じ。そして風味の展開も早いように感じる。酸味⇒コク⇒苦味は一緒だが、最初に甘味を感じているせいか、苦味のアクションが激しい。なるほど、これは最初に舐めてココナッツシュガーのコーティングを溶かしてから咀嚼するのではなく、最初からガリガリといかないと駄目なのだな、と改めて一粒をガリガリ。そうすると、苦味が抑えられカカオ豆のコクを長く味わうことができた。
美味さ、という意味ではこちらの方がいいかもしれないが・・・癖になるということを基準にすれば、個人的には手を加えていないローカカオビーンズの方がいいかも。
次にカカオといえばチョコレート。商品名はボンボンショコラ 4個入り(写真右/税別1800円)
げっ、高い!4個入りで・・・1個450円。なかなか。。。
が、カカオ豆をそのまま商品にするような拘りのある店舗だけに、チョコレートも一風変わっている。
動物性乳製品、白砂糖を使用していないのだそうだ。だからか、香りからしてチョコレートの甘ったるさがない。代わりに、数種の香料を加えているようで、今までチョコレートでは嗅いだことのない香りが漂う。うーん、エキゾチック。。。
種類はマヤンマジック、バニラ・ビーンズ、オレンジ、マカという4種類。
一括した感想はというと、面白い。
正直、一般的に口にするようなチョコレートと比べると「美味しい」という感想は持ちえない。甘すぎるのもどうかと思うが、やっぱり甘いのが好みだし。人によっては好き嫌い、というよりも苦手と思う人はいるかもしれない。
ただ、個人的には本当に面白いと思う。なるほど、こういう風味のチョコレートもあるのだな、と。
『ローチョコレートについて』と題してカカオマジックのサイトでは以下の様に説明されている。
『アメリカ発祥の『ローフード(生菜食)』という『48℃以上に加熱しないことで、食物が本来持っている酵素や栄養素、生命力などを失うことなく、最大限に採り入れる食事法』の中で、同じ考えで発案されたチョコレートです』
最近ではカカオポリフェノールが体に良いとの事で高カカオのチョコレートが多く商品化されているが、カカオマジックのチョコレートはそれの更に先を行く理念と製法を取り入れているようだ。一風変わった風味も、カカオに対する拘りが高じた結果であるのだろう。
ところで、カカオには『幸福感をもたらすフェニルエチルアミンという<恋愛物質>や、アナンダマイドという<幸せ物質>が含まれて』(商品内の説明書きより)いるそうだ。
なるほど、どおりで癖になる筈だ!
シアワセ、タリテイマスカ??
カカオ――幸せ魔法の一粒を。