アンテワーズ・ジャポン

<アンテワーズ・ジャポン>

<店舗名:アンテノール>
<価格(税別):690円《3個入り》>

 

 アンテノールは神戸発祥の洋菓子屋さん。
 店舗数は多く、個人的にも今はそれほどではないが、以前は普段使いのお菓子屋さんとして日々お世話になっていた。
 京都伊勢丹にも店舗があり、その前を通ることはよくあったのだが、上記の通り慣れしたしみ過ぎて、あえて京都で何かを購入しようという気はなかったのだが「京都限定」の文字が目に飛び込んできたので、思わず立ち止まってしまった。
 うーん・・・買うか。
 ちなみに、アンテワーズとは、アンテノールが作るダックワーズの意のようだ。

 見た目は、良く見るダックワーズに比べるとややスリムで小判型。その分、高さが強調されているようにも見える。それだけサンドされたクリームが豊富なのか。
 封を開けて漂う香りは、見事に抹茶。ただ、純粋な抹茶というには違和感がある。そう考えると、ダックワーズ生地に含まれたアーモンドの香りか。
 では、頂く。
 生地の表面はサックリと、中は軽やかに。クリームは滑らかに。甘納豆はカサカサと。うん、イメージ通り。
 そして風味は、実に抹茶抹茶している。ダックワーズ生地にも抹茶。クリームにも抹茶。仄かな苦味もしっかりとし「本格的」という表現もおかしいが、本格的。「お濃茶ダックワーズ」を称するだけあると感心。
 抹茶は農林水産大臣賞を通算11回受賞した文久元年創業北川半兵衛商店の宇治抹茶「瑞鳳」を使用しているという。正直、それがどれほど凄い抹茶なのかいまいちピンとは来ないが――知識は伴わなくても、この抹茶の風味は間違いない。
 本格的過ぎて・・・却って抹茶が苦手な人には抹茶が強すぎるかも。
 ポイントとしての甘納豆は面白い存在。抹茶押しの中に食感、風味において一定の変化を生み出している。
 うん、とても濃厚なる美味しさで。

 今や、抹茶商品が溢れる京都。一体どれを選択すればいいのか迷ってしまうところだが・・・
 とにかく抹茶の風味を求める方。これぞ抹茶菓子というものを求める方には好まれる一品といってよいのではないだろうか。
 通常商品の中に『アンテワーズ(宇治抹茶)』を製造しているアンテノールにとって、「京都限定」を意識した時、より抹茶を活かし強調した商品を求めた結果が、この『アンテワーズ・ジャポン』だったのだろう。
 洋菓子屋が抹茶で極める「京都らしさ」
 京都とは、なんとも濃厚なのだろう。

(2016/05/05)

アンテノールホームページ⇒https://www.antenor.jp/

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