<濃いめの抹茶黒蜜チョコレート>

<店舗名:中村藤吉本店>
<価格(税抜):700円(6ヶ入り)>

 

 中村藤吉本店の存在は元々知ってはいたのだが、なかなかご縁がなかった。
 それが2018年に、テレビ東京系のカンブリア宮殿で取り上げられ、抹茶スイーツを販売することで本業の茶卸の不振による廃業寸前から復活し、成長したとの話を知り、これは一度買ってみないといけないな、となった。
 となってから結局数か月、またご縁がなかったのだが、ようやく購入する機会があり購入。
 濃いめのチョコレートシリーズには、抹茶とほうじ茶もあり、こりゃ美味いわ!となったが、ここではあえての新作をご紹介。
 それが今回紹介する「濃いめの抹茶黒蜜チョコレート」。

 見た目はシリーズの抹茶と同じ。
 封を開けると、チョコレートと抹茶の良い香りがする。
 頂く。口の中に入れると、チョコレートの甘味もあるのだが、はっきりと感じるのは濃厚な抹茶の風味。旨味と苦みの境界線で、旨味から苦味へと踏み出さないギリギリのところで踏みとどまっている濃厚さ。これだけでも充分美味しい。美味しいのだが、ここからまた変化が起こる。
 中心に入れられた黒蜜が、やがて溶けだしてくる。最初は液体の舌触りを感じ、やがて口内に広がり、濃厚だった抹茶の風味をコーティングしつつ、やんわりと黒蜜の甘味を含んだコクのある風味が訪れる。チョコレート・抹茶・黒蜜という、初めて味わう組み合わせの、繊細ながらも複雑な風味が癖になりそうだ。

 チョコレートと黒蜜という、共に甘味の組み合わせに奇異と真新しさを覚えネット検索してみると・・・意外とあるんだ、と驚き。ただ、チョコレートと黒蜜だけの組み合わせというのは、発売されている商品としては見当たらず、チョコレートと黒蜜の外に双方を媒介する第三の素材を含んだ商品が散見された。その媒介する素材というのは、例えばきな粉だ。
 その媒介の役目を、今回紹介した商品『濃いめの抹茶黒蜜チョコレート』では抹茶が担っている。
 お茶屋さんの商品なのだから、抹茶は主役であるべきだ。そしてこの『濃いめの抹茶黒蜜チョコレート』でも主役は抹茶なのだが、主役でありつつも、別の素材同士を媒介する役割も担っているところが面白く、新商品という響きに値する。
 抹茶という素材の用途の広がりを感じることができる一品。
 抹茶の可能性は、係わる各方面の成長軌道をまだまだ描きそうだ。

(2019/01/10)

中村藤吉本店ホームページ⇒https://www.tokichi.jp/

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