京扇子(管理人愛用)

<京扇子>

<店舗:京都各所>
<価格:ピンキリ>

 

 こういう暑い日はじっとしているだけでも汗が出てくる。まぁ、建物の中にいれば冷房が効いているから余り暑さを気にすることはないが、それでも一歩外に出たら肌に纏わり着くような暖気が離れない。これでまだ風があれば救われるのだが、無風となった日には窒息寸前だ。
 そんな時に団扇なんかあるといい。自分で腕を振る労力は必要だが、風がこんなにも有難いものだと思えることはない。だが、団扇では少々嵩張らないだろうか?最近では路上でティッシュの代わりに店舗などの広告の載せたミニ団扇を配っているが、それでも少々使わない場合にはやり場に困る。そう考えた時、折り畳みができる扇子を一本持っていると便利だなと思うわけで。

 写真の扇子は、管理人愛用の京扇子だ。かれこれ10年近く使っているだろうか。購入したのがだいぶ以前のことなので記憶は薄れているのだが、確か購入したのは清水周辺の二年坂か三寧坂にある京扇子屋だったように思う。値段は当然のように安いものを買ったように思う。
 当時、歴史に嵌まっていた管理人は、歴史人物の肖像画によく扇子を手にして描かれているのを見て、扇子を欲しがったように思う。要は扇子の機能を考え欲したというよりも、武将達の真似をしたかっただけなのだ。ただ、武将達が持っている扇子と京扇子は実は形が違のだけれど、とりあえず扇子であればいいやという適当さで妥協した。
 購入当初はまさに物真似の道具だった。扇ぐというよりも、閉じた状態で首筋をぺちぺち叩きながら物思いにふけったり、扇子を立ててその上に両手を乗せてみたり。でいて、余り外出先に持ち出すということはしなかった。周りで扇子を使っている人間を見かけないということもあり、また扇子を使うイメージが<おっさん>というのもあったので、どこか外で使うことに恥ずかしさを覚えていたように思う。
 それがいつの頃からか、管理人にとって欠かせないものとなった。今では外出時には季節関係なく必ず鞄の中に入っている。今の時期は当然のこと、冬場にも暖房の効き過ぎた場所では活躍する。感じていた恥ずかしさも、本当のおっさんになったせいかなんとも思わなくなってしまった。本格的に使い始めたら使い始めたで、本当に重宝する。
 それにだ、管理人の扇子は至って地味なものだから<おっさん>という印象が拭えないが、京扇子は色々なデザイン性も豊富なのだから、ちょっとしたファッションとしてもこれからはもっと広まってもよいように思う。
 京都には扇子を扱っている店が多くあるので、せっかく京都にきたならば、そんなに高いものでなくてもいいから一本持ってみるのも一興ではないだろうか。
 京扇子を持ち出して「粋」というのも変な話だが、普段から扇子を優雅に使えるような粋な日本人の姿をもっと見てみたいものだ。

 今日も管理人は、写真の扇子をバタバタと扇いでいる。バタバタと扇いでしまってはそれこそおっさんのようで優雅には程遠いが、管理人は至って快適だ。

(2008/07/29)

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