<畑善のミニ懐石>

<店舗:畑善>
<価格:5000円(サービス料・消費税別)>

 

 8月下旬の某日。ついに小市民の管理人が料亭デビュー!(あっ、そういやだいぶ前に、たん熊に連れて行ってもらったことがあったが・・・酒を飲みすぎて味など忘れた・・・今考えると勿体無い)
 っといいつつも、夜の本格的な懐石は自腹だと少々お高いので、比較的リーズナブルなお昼のミニ懐石を頂くことにした。
 お店の名前は畑善。仁和寺の西、音戸山町にあり、かつてはさる室町呉服商のゲストハウスだったという。さすがに元ゲストハウスだけあって作りは豪奢で、門から玄関までに広がる庭も立派なものだ。その立派さ故に女将さんの話によれば某深夜ドラマの撮影場所として利用もされたとか(オンエアではご主人の手しか映っていなかったと嘆いてらした。。。)
 女将さんの丁重なお出迎えを受けて早速建物内へ。

 

風景

 案内されたのは玄関を入ってすぐ左手のサロン席。正面は一面のガラス張りで左写真のような風景が広がっていた。写真では判別つき難いが、正面の山は大文字山で、その左手前には仁和寺の五重塔が望める。
いやぁ~、いい天気だ。

 

 さて、最初に運ばれてきたのは、左の二品。
 先に手をつけたのは右の小鉢。隠元やきのこ、ウド?やマスカットなどを大根おろしであえた一品。大根おろしの苦味がある中にも、マスカットの甘味が引き立てられる一品。
 左の小皿の一品は、ゼリー状にしたダシの中に輪切りの茄子が入り、上にはオクラ、切り身の海老などが乗る。ゼリー状のダシと素材をかきまぜながら口に入れると、ダシが冷やされているためにとても涼やかな味わいだった。

 

 次は椀物の一品。
 きたぁ~!鱧だぁ~!実は管理人、今夏はこの日までまだ鱧を味わっていなかったので、とても嬉しい。
 薄味のダシ汁の中に、卵豆腐、その上に鱧が乗り、さらにニンジンとすだちの皮が乗り、また冬瓜が入っている。
 このダシ汁はとても薄い。薄味に慣れたと思っていた管理人も、その繊細には少々戸惑ってしまったが、じっくりと味わったならば染み込むようなダシの風味が優しく広がる。
 で、やっぱり鱧は美味しい。淡白な味わいなのだが、旨味成分の塊といった感じだ。一切れしかないのが何とも寂しいが、一切れだからこそ感じるありがたさだろうか。

 次はお刺身。
 またきたぁ~!鱧ぉ~!今度は梅肉付き。ああ、なんかこれだけで幸せ。これは文句なしで美味しい。
 その他には砕いた氷の上に大葉を敷き、鯛、イカのお刺身。生湯葉に山芋。これらもそれぞれ美味しい。

 

 次はレンコンとサツマイモの煮物と、しし唐、生麩、茄子の焼き物。
 茄子は味噌田楽になっており、焼味噌の香りがとてもよく美味しい。
 また生麩を焼いたものは初めて食べたが、弾力性が想像以上で、もちもち感を存分に味わえて面白かった。

 

 次は湯葉蒸し。
 これは蓋を開けた瞬間、生姜のとってもいい香りが漂った。もう、その段階で美味しいのは間違いなし!
 生姜の風味が効いたトロトロのアンに沈む湯葉の中には、ゆりねや白身魚の切り身などが入って・・・美味い!今回の料理の中では管理人一押しの一品だ。

 

 次はご飯もので、かやくご飯の登場。ちょっと驚いたのはニンジンを細かく刻んだものが含まれていたこと。ニンジンとご飯。普段、おかずとしての組み合わせであれば白米とあわせることはあっても、余りご飯に直接混ぜるという感覚が管理人にはなかったので、新鮮だった。
 後はお漬物。
 一緒にお茶も出てきたので、これはお茶漬けにしろということか?と思ったが、料亭という立ち入ったことの無い雰囲気に勝手に負けてしまい、お茶漬けはできず。しかし、美味しく頂いた。

 

 最後はグレープフルーツゼリーにスイカのデザート。
 まぁ、これは普通に美味しかった。

 

 と、以上が管理人が訪れた際の畑善のミニ懐石(5000円コース)のメニューだった。
湯葉蒸しをもっと食いてぇ~!とってもお気に入りとなりました。
まぁ、馬鹿舌の持ち主である管理人なので料理の質を的確にお伝えするには厳しいものがあるが、ありきたりではあるがとても美味しく頂いた。
きっと季節が変われば、また旬の素材を活かしたメニューに変わるのだろう。ぜひとも季節毎の料理を味わってみたい、と思った。

会計の際、予想していたのよりもちょっと高めの料金が伝票の合計欄に記入されていた。おや?と思いよく見てみたら「奉仕料」という項目があった。きたぁ~!人生で初めてサービス料を請求された!っと、馬鹿丸出しの管理人は、そこでも若干テンションが上がってしまった。なに、何事も経験ということで。

食事を終え店を出る際、女将さんと一緒にご主人までが玄関まで見送りにきて下さった。
とても美味しかったですと、一礼、二礼、三礼・・・

素直にまた来たいものだと思った。

(2009/09/29)

京都にての地図(googleマップ)

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