<一汁三菜>
<店舗名:阿吽坊>
<価格(税込み)2625円>
とある雑誌に掲載されていたのが切っ掛けで気になり始め、となるテレビ番組で紹介されているのを見て、改めて行きたくなったのが今回紹介する阿吽坊。
予約の上、訪れた。
引き戸を引いて敷地に入ると、玄関まで飛び石が続く趣ある光景。
玄関に入ったならば、すぐのところにある火鉢が心憎い演出と映る。
ご主人である田島博さんが立つカウンター席へ通され、メニューを頂戴する。
お昼のメニューは一汁三菜。日替わりで料理の内容が変るといい、更に二種類の組み合わせから選ぶことができるということだ。
この日は<松>がさんまの丸干しと豆腐田楽。<梅>は蓮根のはさみ揚げに豚の角煮。
蓮根のはさみ揚げが気になったので<梅>を注文してみた。
まず出てきたのは<和え物の盛り合わせ>
色彩豊かで見た目にも楽しく、またこれだけの種類を出してくれると色々な味が楽しめて嬉しい。
中でも珍しく、また美味しく頂いたのは芋と焼鯖の身をほぐし和えたもの。写真でいうと笹の葉の右下に盛られた白い塊なのだが、最初見た目にはおからかな?と思ったのだが、食べてみると芋で、更に和えられているのがどうも青魚っぽい。ご主人に尋ねてみると、鯖との答えだった。芋と鯖。この組み合わせは今まで味わったことがなかっただけに奇抜であるのだけれど、鯖の生臭さは限りなく和らいで、旨味だけがしっかりと芋の中に溶け込んでいた。
またその他の葱の白味噌和えや酢の物などあるのだが、どれもとても優しいお味。刺激が足りないといえば足りないとなってしまうのかもしれないが、とにかく美味しく食べやすい。そういう意味で優しい。
最初からなかなかに心弾む料理を頂いた感じだ。
次に出てきた料理は<豚の角煮>
まぁ、豚の角煮といえば特に珍しい料理でもない。では一口。おお!生姜の風味が口内に広がり、脂の甘味がよく引き出されている。もちろんしっかりと煮込まれ食感はやわやわだ。
それにしても、このさっぱり感はなんだろう。豚の角煮というと、どうしても醤油をベースとした濃い目のタレで煮込んでいるというイメージが強いのだが、これはかなり薄味で仕立ててある。これだけ生姜の風味が醤油に負けずに残っているというのも珍しいのではないだろうか。
本当に、優しいお味。
あっという間に完食した上に、お代わりができるならしたいぐらいだった。
次はメニューを見た際の第一印象がよかった<蓮根のはさみ揚げ>
出されたその姿を見て、あれ?なんか薄い。イメージしていた蓮根のはさみ揚げというと、こんなに太い蓮根ではない分、もっと厚切りになっていて、その間にはさまれた素材もある程度見分けることができるのだが・・・
蓮根の太さはだいぶ立派なものだろう。それを薄切りにして、薄く伸ばしてあるだろう間の素材をぴったりと挟み、揚げてある。どれ一口。うん、美味しい。ただ余りにも薄くて中身の素材がわかりずらい。よく味わっていくと白身魚の練り物だろうことはわかったが・・・結局ご主人に尋ねてみたら、白身魚の練り物に梅肉を塗り込んだものだという。あれ?梅肉の味がまったくわからなかった。でた、馬鹿舌。。。
もちろん美味しかった。ただ個人的には豚の角煮ほどのインパクトはなかった。贅沢かもしれないが、できれば一枚一枚のはさむ中身を替えてくれると嬉しかったかも。
次は<じゃこ飯&大豆の味噌汁&佃煮と大根の漬物>
ここで新たなる衝撃が!それこそ大豆の味噌汁!
ちょっと待て、味噌自体大豆からできているんだから大豆の味噌汁って変じゃないのか?と、思われる方もいると思うが、事実管理人も、はて?と思ったが、実際に一口含んで見ると、これがまた美味しい。ベースは白味噌で、その中に磨り潰すか漉したかした大豆を入れたものだ。口に含んだ風味、感触としては甘酒が近いだろうか。ただし、香る甘味は白味噌のもので仄かに、とろみとツブツブとした舌触りは大豆が担っている。これがなんとも美味しく感じられた。
じゃこ飯と佃煮、漬物はそれなりに美味しく。
しかし、この味噌汁は美味しかった。
改めて思う。管理人は大豆が大好きだ!!
最後にデザートの<黒砂糖の葛餅>
香りよいきな粉にプルプルの葛餅。一口食べれば濃厚な黒砂糖の甘味と香りだ溶け出す。 間違いなく美味しい。
ところが・・・やや管理人には濃厚過ぎたか、いや、これでも甘い物好きなのだが、半分を食べた辺りから少々黒砂糖の濃厚さがしんどくなってきた。なんなら半分ぐらいが丁度良かったかも。いや、そんなにでかいものではないのだが、いや、いや?いや・・・歳か?
阿吽坊<一汁三菜>個人的ランキング!
第三位!<和え物の盛り合わせ>から芋と焼鯖の和え物。
第二位!<豚の角煮>
栄えあるかどうかは知らないが、第一位!<大豆の味噌汁>
大変美味しゅう御座いました。ご馳走様でした。
阿吽坊の一汁三菜は日替わりというから、また訪れる際には新たな一品との出会いを期待しよう。
それと、いつかはご主人と阿吽の会話を交わしたいものだ。現在は管理人の完全なる諸々の力不足でいまいち、ちぐはぐに・・・
(2010/02/17)