粟餅

<粟餅>

<店舗名:粟餅所澤屋>
<価格510円>

 

 京都・観光文化検定試験公式ガイドブックには京菓子の項目として北野天満宮門前の2種類の京菓子の名を挙げている。一つは長五郎本舗で販売する『長五郎餅』。そしてもう一つが、今回紹介する粟餅所澤屋の名物菓子である『粟餅』。天和2年(1682)に茶店を出したのがはじまりとのこと。
 訪れたのは日差しが照りつける、くそ・・・失礼、でもとってもくそ暑いのだから仕方がない、そんな夏の一日。お店に入ると席数は20もないだろうか。幸いにすぐ座ることができたが、これが観光の時期ならばさぞや行列を作るんだろうなぁと簡単に想像ができてしまった。まぁ、この時期でよかったのだろう。

 さっそく粟餅を一つ注文。すると、写真のように提供された。漉し餡で包んだ粟餅が3つと、棒状の粟餅にきなこをまぶしたのが2つ。あと、温かいお茶。炎天下の下を歩いてきた体には意外と温かいお茶は有難い。汗を掻くと内臓は冷えるもので。ああ、この一杯が美味い。
 見た目に、美味しそうですな。かる~く餡子ときなこの香りが漂う。
 では、まず餡子の方から、とりあえず半分を齧ってみる。そうすると粟餅が現れる。その姿は粟餅というだけあってやや黄色がかっているだろうか。粟の粒が点々と原型をとどめ散らばっている。その粒が、お餅ならではのしっかりとしたもちもちの食感の中にプチプチという食感の変化を与えていて面白い。ああ、なんか粟餅って面白い。
 餡子も普通に美味しい。粟餅ももちろん美味しい。ただ残念なことは、管理人の馬鹿舌では食感以上の通常のお餅との味の違いがいまいち分からない。食べ比べをしないとわからない。「すいません、普通のお餅下さい」と言いたい。普段、どんだけぞんざいにお餅を食しているかがこんなところで仇となる。いや、当然何かは違うような気はするのだが、これといった明確な表現にならない。
 次、きなこ。粟餅は粟餅。プチプチの食感が相変わらず面白い。美味しい。しかしだ、どうもこのきなこが気に食わない。砂糖が多くないかな?きなこの風味というよりも、砂糖の甘さが勝ってしまっているような感じ。個人的嗜好としては、こんなに砂糖を入れなくてもこの粟餅なら充分に美味しいのにと思えてしまった。まぁ、あくまでも好みは人それぞれ。
 ともあれ、5つの粟餅を多いとも感じず、また少なすぎると感じることもなく、丁度満足できるところで食し終えた。美味しく頂けた。

 粟餅の特徴を挙げれば、風味云々(管理人の馬鹿舌では)よりも、やはり粒を残したその食感の良さにあるだろうか。
 商品名通り粟の粒が活きている!
 古くから多くの人々が味わってきた北野天満宮門前での一服を体感するのも、またいいものだ。

(2010/08/29)

粟餅所澤屋ホームページ⇒http://www.awamochi-sawaya.shop-site.jp/

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