祗園会(都の月)

<祗園会(都の月)>

<店舗名:宝泉堂>
<価格(3枚入り)500円>

 

 京都で小豆や大豆といえば、丹波産。
 その丹波大納言小豆や丹波黒大豆を中心に素材の風味、特徴を生かしたお菓子作りをしているという宝泉堂。以前にも一度訪れたことがあったのだが、今回改めて訪れ「祇園会(都の月)」と「京らくほく」という二つのお菓子を購入してみた。共に小豆と寒天を使用したお菓子。形ばかりが相違していて、中身は一緒では?などという先入観を持ちながらも、折角なので今回は二つのお菓子の食べ比べをしてみることにした。

 まず「祇園会」。購入した時期が時期だったので外観を変えて季節限定販売されていたが、通年名称としては「都の月」という名で販売されている。
 原材料は、砂糖・小豆・水飴・寒天・ソルビットのみ。宝泉堂の説明書きによれば「じっくり炊いた小豆を寒天で固めました」との事。
 見た目は通年名称でいうところの「都の月」というだけあって、満月をイメージしたような円形。
 早速頂いてみると、表面は砂糖の効果か、サクサクと歯に程よい抵抗を感じ、中は寒天としっかり炊かれた小豆の柔らかな弾力を帯びた歯触りが伝わる。またソルビットが使用されている効果か、常温で食しても軽く冷やしたかのような感覚を覚えた。
 味はとてもシンプル。甘味と小豆の風味とが口内によく広がる。

京らくほく

<京らくほく>

<店舗名:宝泉堂>
<価格(6個入り)662円>

 

 原材料は砂糖・丹波大納言小豆・寒天のみ。宝泉堂の説明書きによれば「丹波大納言の粒をいかしたまま炊き上げ、甘さを控えめに仕上げました」との事。
見た目はとても小粒で、例えるのも変だが遠目に一口チョコレートに見えなくもない。
 早速頂いてみると、こちらも「祇園会(都の月)」同様、表面はサクサクとしている。だが、中身の食感は異なり、説明書きにあったように小豆の粒をいかしたというように、小豆のホクホク感がそのまま残って、ホロホロと口内を転がる食感が楽しい。
 味は、こちらもとてもシンプル。しかし、小豆の粒をいかしている影響か「都の月」よりも小豆の風味が強く感じられて美味しかった。また小豆のホクホクした身に甘味が溶け合うと、これまた気持ちのいいぐらい程よい加減の甘味となって、呼び水のように次の一粒を求めたくなる。

 独断と偏見による個人的嗜好の勝敗は「京らくほく」に軍配!
 まず漉し餡より、粒餡好きの人間にしてみれば「京らくほく」の粒をいかしたままの作りはたまらない。それと甘味程よく小豆の風味が強く感じられたという点でも個人的嗜好に叶った為、もちろん「祇園会(都の月)」も美味しかったのだが、「京らくほく」に軍配を上げさせてもらった。

 「祇園会(都の月)」「京らくほく」共に、小豆の風味をシンプルに活かした作りが好ましい。
 小豆の匠がここにあり。

(2011/10/04)

宝泉堂ホームページ⇒http://www.housendo.com/

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