特選チョコレート(デニッシュパン)

<特選チョコレート(デニッシュパン)>

<店舗名:アンデ>
<価格(一斤)850円>

 

 それは秋晴れの一日。京都の伏見は欣浄寺から恋塚寺へ向かおうとひたすら歩き続けていたところ、なにやら香ばしい香りが。この良い香りはなんぞや?と、ふらふら辿った先にあったのが、どうやらパン工場。なるほど、これは良い香りがして当然!しかも、即売所の看板が!
 しかし、ちょっと待て。香りに惑わされて予定外の出費をしてはならない。今日の目的はパンじゃない。そう自分に言い聞かせて後ろ髪を引かれつつその門前を一度通り過ぎたのだが・・・まぁ、なんだ。これも何かの縁じゃないか?そんな縁をものにするも、無駄にするも自分自身じゃないか?などと自問自答を繰り返し、つまりは優柔不断に歩みを止めた訳で。そして一度歩みを止めてしまったら、もう戻るしかないでしょうと自作自演。
 テントの下に設けられた即席の販売所。呼び鈴を鳴らしたら明らかに工場で働いている作業着姿の年配?の女性が出てきた対応してくれた。メニューを見せてもらい、ここでも優柔不断に悩む。元々目的あってきた訳ではないので、更に悩む。が、どうした風の吹き回しか?歩き過ぎて血の巡りがよくなり過ぎていたのか?普段ならば168円の食パンよりも88円の食パンを味覚的判断よりも金銭的判断から購入している人間ともあろう者が、メニュー一覧の中で一番高級な特選チョコレートを頼んでいた。超小市民には高級なお買い物。

 本来ならばできたてを買ったその場で食べるのが美味しかったのだろうが(購入時はまだ温かかった)、京都での一通りの予定を終え、自宅に帰り、夕食を終えてからデザート感覚で頂くことにした。
 封を開ける。あ~、なんて濃厚なチョコレート香り。ようわからないが「さすが特選」と一言。一応、綺麗に裂こうとするが、中はふわふわで見事写真の如く汚らしく裂けてしまった。けれど、チョコレートが一層香しく。
 では頂く。なんて香り以上に濃厚なチョコレート。そんなチョコレート、チョコレート連呼するならばチョコレート食っとけ!と言いたいところだが、あくまでもデニッシュパンの評価としての、このチョコレートの風味には「なるほど」とバカ舌なりに頷いてしまった。個人的にこれだけしっかりとしたチョコレート風味を感じさせてくれるパンには初めて出会った気がする。更に個人的嗜好の琴線に思いっきり触れてくれたのが、デニッシュ生地の表面のパリパリ感。この歯触りがなんとも言えずに食欲を更にそそった。
 で、夕食後にも関わらずアホみたいにバクバク食べた結果・・・濃厚なチョコレートが若干しつこく感じ始め・・・まぁ、無計画に量を食べるパンではなさそうだな、と一つの結論を導いた。
 それも、美味しさの裏返し。

 この特選チョコレートは国際味覚審査機構(iTQi)の優秀味覚賞を受賞したのだとか。いまいち聞いたことのない組織の聞いたことがない賞だが、受賞するということはなにより素晴らしいことで。さすが特選!
 それにしても、商品にはまったく関係のない話だが「ボロニア 祇園」で検索したところ「本家 京都祇園ボロニヤ」と「京都ミヤコボローニャ」という同じようにデニッシュを扱うパン屋さんがヒットした。これはなにか、濃厚な大人な事情の匂いが香しく?と無責任に勘ぐってみたり・・・
 とにかくも、今回縁あってここに紹介したのは 「BOLONIA JAPAN」の「特選チョコレート」
 もしご縁がありましたら、お試し頂くのもよろしいかと。

(2011/10/19)

 ※やっぱり大人の事情が起ったようで、店舗名に変更があったようなので修正しておきます。
   「アンデ」の「特選チョコレート」(2015/03/08)

アンデホームページ⇒http://www.bolonia.jp/

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