cube-チョコレート小餅-

<cube-チョコレート小餅->

<店舗名:亀屋良長>
<価格:800円(税別)>

 

 以前、亀屋良長の『焼きあずき』を紹介するにあたり、亀屋良長のホームページを見ていたら、なにやら和菓子屋らしくないお菓子を掲載するページを見付けた。それは亀屋良長がプロデュースする新しい菓子ブランド『Satomi Fujita』のページだった。
 提供するのは、ブランド名にもなっている藤田怜美さんという方で、なんでもフランスでパティシエとして活躍されていたそうだ。
 そんな経歴を持つ藤田さんが提供するのは和洋菓子のコラボレーション。
 そして今回購入した「cube」は、なんとチョコレート餅。
 チョコレートと餅を一緒に口に入れたことは、と考えてみる。・・・いや、ないな。。。

 お櫃をイメージしたと思われる蓋を開け、中身を見た時の正直な感想。。。これだけ?なっ、なんてお上品なお菓子。。。小市民はびっくりさ。
 が、小さな立方体は見た目に可愛らしく、作り手のセンスを感じる。従来の餅のイメージにはない形状ではないだろうか。
 折りたたまれたビニールの封を開くと、チョコレートの甘い香り。それと、餅粉の香り(個人的には正月を思い出すあの香り)も漂い出てきた。まさにチョコレート餅。
 白はホワイトチョコで、赤はフランボワーズ。
 まずはホワイトチョコから一口。表面をホワイトチョコレートでコーティングしているので、外側はパリッと割れ、そして中は・・・柔らかい。餅だ。ただ焼き餅のような密度の高いトローリと伸びる粘り気のある柔らかさではなくて、メレンゲを混ぜているらしいその食感は、もっと空気を含んだ軽い柔らかさ、とでも言えばいいだろうか。
 そして味は、外側はチョコレートがコーティングされているのでその風味をストレートに感じることができるのだが、中の餅の部分はその独特な舌触りのせいもあってか、なんとなくぼやっとした感じでホワイトチョコレートの風味を感じた。
 一方フランボワーズはホワイトチョコレートより中の餅に至るまで比較的はっきりとした風味を感じることができた。まぁ、ホワイトチョコレートよりもフランボワーズの風味の方が明瞭である為だろうが。
 いや、美味しいのだが、美味しいのだが、そんな違和感を感じた。違和感というよりも、きっと未知の感覚。
 現に、何個か食べ進めると止まらなくなった。慣れたのだ。
 そして――あっという間になくなった。
 うん、やっぱり美味しい。

 藤田さんは「ある日和菓子の素晴らしさに目覚めた」という。
 それまで培ってきたものを一度リセットし、また別の道へ進もうと彼女を急き立てたものはなんであっただろうか。
 勝手に推測するに、それは未知の世界への好奇心だったのではないだろうか。
 和菓子への好奇心が、その道へ進ませ、そして生まれた「cube」というお菓子。その小さな立方体には、きっと作り手の好奇心がしっかりと収められているに違いない。

 さて、あなたの好奇心に共鳴するだろうか?

 同店別商品:焼きあづき
 同店別商品:焼きカカオ

(2014/04/21)

亀屋良長ホームページ⇒http://kameya-yoshinaga.com/

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