「2012紅葉見物(2)」
11月末の某日と某日。今年は更に紅葉見物に訪れた。
今回は自転車ではなく、公共交通機関を乗り継いで。。。
訪れたのは伏見稲荷大社。
特に紅葉の名所と聞いたことはなかったのだが、なにせ神域が山なので、それなりのものがあるだろうと予想していたのだが・・・名所と呼ぶには寂しいが、やはり所々に鮮やかな紅葉を見ることができた。
そして伏見稲荷といえば、まるでトンネルの様に参道に立ち並ぶ鳥居。鳥居の朱と紅葉の組み合わせは、同系色なので単純に考えると同化してしまいそうなものだが、紅葉に色彩の変化があるのでその憂いはなく、却って二つの関係は調和をとりつつも、人工物と自然物、及び形状、または材質からくると思われる硬軟の相対によって立体的な膨らみのある景色を生み出していた。
結局この日は全山を回ることはできずに「四ッ辻」と呼ばれるところまでしか登らなかったが(それでも、運動不足だと下山後に膝が笑うぐらい登る)紅葉をメインに置いた時の見どころは、その「四ッ辻」周辺が最も見応えがあっただろうか。
それと下山途中「三ッ辻」と呼ばれるところから登り口とは別の参道を辿るとある『末廣大神』(と鳥居の扁額にあったので、そのまま記載するが)周辺も、見事に色付いていて綺麗だった。
ところで、まったく関係ないが、稲荷山にハイヒールで挑んでいる若い女性を見るにつけ、大変そうでならない。もうちょい違う準備もあるだろうに、と思いつつも、それでも挑む、良く言えば根性に脱帽。
伏見稲荷大社ホームページ⇒http://inari.jp/
その夜に訪れたのは高台寺の夜間拝観。ライトアップ。
訪れるのは2回目なのだが・・・駐車場は大型バスの列。やっぱり、凄い人。
それでも、ライトアップされた紅葉は確かに美しく、月をバックにすれば、太陽に輝く紅葉とはまた違う情緒ってやつがあるもので。単純に表現してしまえば、幻想的ってやつで。
これで人がいなかったら、もっと最高なのになぁ~、とみんな思っているに違いない。
人並みに揉まれつつ歩く羽目になるが、幻想的という言葉を基準にするならば、もっとも幻想的雰囲気を味わえるのは、中門から開山堂へ向かう間に見れる、臥龍池周囲の紅葉と、それらが臥龍池の水面に写し出される光景だろう。波紋も起こらない水面に写る紅葉は、本当に現実のもののようであって、僅かな波紋で揺らぐならば、一時に幻と掻き消える。――儚さ。――不確かさ。まさに、現か幻か。。。
しかし、残念なのは我がデジカメの性能の低さ。すでに購入より数年が経過している為か、もしくは購入年数は関係なく、そもそもの性能の問題か、この目で見たように撮影できないのが歯痒い。なので、人はとんでもなく多くげんなりするが、それでも実際に訪れて眺めてみるのが一番なのかもしれない。
さて、ここでもまったく関係ないが、人並みに揉まれつつ、かつ他人様に迷惑を掛けないようにと歩きながら撮影してみたら、見事に心霊写真が撮れた!・・・いや、正確には心霊写真風か。見知らぬ人様が大量に写りこんでいるので公開はしないが、よく心霊写真と銘打ってテレビで公開されるような黄色や赤の光線が空間に多数浮かんでいるような奴だ。恐らく、ライトが写りこんでいる場所でシャッターを切った瞬間に、デジカメを激しく移動させた為に、シャッタースピードの問題でこの様な撮影結果となったのだろうと推測される。
こうやって撮影されるのか、と一人納得。
高台寺ホームページ⇒http://www.kodaiji.com/
ここからは、また別の日。
この日、まず訪れたのは車折神社。
JR嵯峨嵐山駅を降りた時には、平日だというのに人の多さに「さすが、嵐山!」と思ってしまったが、嵐山とは反対側にある車折神社では、余り観光客の姿に出会わなかった。それでも境内には見事な紅葉を見ることができ、観光客数と紅葉の見事さの比率を勝手な感覚で計るならば、これはなかなかの隠れ名所とでもいえるのではないだろうか。
車折神社といえば境内摂社である芸能神社だが、芸能神社の周囲も紅葉で華やかな景色となっていた。まさに『華』こそ願い人が望む社、といった雰囲気だ。
車折神社ホームページ⇒http://www.kurumazakijinja.or.jp/
次に鹿王院を訪れる予定だったのだが・・・
昼食の予約の時間が迫り――この時期の嵐山で予約もなく昼時に昼飯をスムーズに頂くのは難しく――予約を優先し、門前から反則の1枚を失礼。
見どころは山門から中門の間です。
京都にての地図(googleマップ)
昼食を終え、訪れたのは嵐山周辺の寺社の中でも遠い位置にある祇王寺。
距離もあるし、個人的にもここまでやってくるのは初めてだったので、そんなに人は多くないかなと甘く見ていたのだが、向かう途中でいつになっても人の列が途切れることがなく・・・って、考えてみたら、大河ドラマで丁度、祇王寺の主人公?である祇王、祇女、仏御前が登場している時期だった。視聴率低迷とはいえ、やはりこれは大河効果だろうか。
境内は一棟の庵があるだけで、とても狭い。
肝心の紅葉は、残念ながら時期を逸してしまったようで、多くが落ち葉となって地表を覆っていた。これもまた、見どころといえば見どころだが、やはり木々に生い茂り視界を覆っている方が見応えがあり、最盛期にはさぞや美しかっただろうと思われる。
祇王寺ホームページ⇒http://www.giouji.or.jp/
滝口寺は祇王寺のすぐ横にあるのだが、こちらはほとんど観光客の姿がなかった。祇王寺の人の多さは、やはり大河効果と思われる。
こちらもすでに最盛期を過ぎてしまったようで、落ち葉が目立った。祇王寺よりは若干広い境内に、祇王寺と同じように庵が一棟結ばれているのみ。ただ、静寂がある分、こちらの方が過ごしやすかった。
時期を逃さなければ、こちらもまた美しい光景となるだろうと思われる。
京都にての地図(googleマップ)
最後に訪れたのは宝筐寺。
庭園に入るなり「ああ、ここは別物だ」と思ってしまった。後続の人たちからも庭園を一目眺める度に「おお」とか「すごっ」とかの感嘆詞が漏れていた。
以前、宝筐寺のホームページを見た時に凄いなぁ~、とは思っていたが、実際に訪れてみると、紅葉の名所として挙げられるだけはある、と文句の言いようがなかった。見渡す一面の紅葉。広大ではない庭園だが、一回りしても紅葉の景色が途切れる場所がないというのも凄い。
紅葉に関して言葉を費やす必要性を感じないので、最早語るまい。
気になる方は、機会があれば訪れて、その目で見て頂きたい。
唯一つ、紅葉以外で。
庭園内に意味の分からない西洋風のオブジェが。鯉?に少年3、4人が群がって捕まっている白石のオブジェ。果たして、あれは一体なんだったのか・・・
個人的な解釈としては、鯉が天に望むように躍っていることから、天に昇ろうとしていうと解釈すると、それに絡みつくような少年たちは、鯉が天に昇るのを妨げているかのように見え・・・反登竜門のオブジェ?
縁起が悪いのは、オブジェか、我が思考か。。。
宝筐寺ホームページ⇒http://www.houkyouin.jp/
それにしても、平日だというのに嵐山は凄い人手だった。
どこか「平日だから」と甘く見ていたのだが、この時期の嵐山は平日だろうと、なんだろうと関係ないというのを思い知らされる。
恐るべし、嵐山。。。
さて、今回の勝手にランキング。
1位はダントツの宝筐寺。今回訪れた中では文句なし。
2位は高台寺。ライトアップという技巧的な部分、及び辟易する人の多さという部分はあるが、やはり美しいと思えてしまうのだから仕方がない。
3位は車折神社。訪れた時間帯もあったのかもしれないが、あの隠れ名所感はとても良かった。
次点は伏見稲荷大社。鳥居との組み合わせは、とても良かったのだが、いかんせん四ッ辻までの道のりが運動不足にはこたえた。。。
関連記事:「2012紅葉見物(1)」
(2012/12/06)