宇治有機抹茶のクレープ~丹波大納言添え~

<宇治有機抹茶のクレープ~丹波大納言添え~>

<店舗名:五感>
<価格(税込):216円>

 

 高島屋京都店に出店している五感は、大阪北浜に本館を構える洋菓子屋さんだ。
 五感の特徴の一つといえば、米粉を使った焼き菓子を多く製造していることだろう。
 個人的には大阪で度々お世話になっているのだが・・・京都店があるのは知らなかった。
 そして、京都店限定商品があることも、知らなかった。なに?気になるじゃないか!と訪れてみた。

 商品ケースの中を目的の物を探していくと、あった!けれど「少々お待ちを」というニュアンスの紙がペランと置かれていた。店員さんが来て「2時に焼き上がりますので」と教えてくれた。なんだって?!と時計を見れば、あれ、丁度2時だ。と、確認して顔を上げてみれば、丁度奥から焼き上がったばかりの商品が運ばれてきて、商品ケースへと納められた。なんてタイミングの良さ!
 聞けば、11時、14時、16時、18時と4回に分けての数量限定の販売となっているそう。
 早速購入。商品名は『宇治有機抹茶のクレープ~丹波大納言添え~』。なんか商品名に「~添え」って付いているとお上品そうに感じてしまうのは、根が小市民だからだろうか。。。

 クレープといえば、巻いたものというイメージがあるが、四つ折りの形で包装に納められている。その形を京都という地を考慮して捻くれ根性のフィルターを通して見て見ると・・・でかい生八つ橋に似てる印象を抱いた。ニッキの香りが漂いそう。。。
 開封する。もちろんニッキの香りは漂わない。漂ってくるのは抹茶の香り。それと通常のクレープならば小麦の焼けた香ばし香りが漂ってきそうだが、米粉を使用しているからだろうか、普段クレープという食べ物からイメージする香りは強く感じられなかった。抹茶が一番。
 頂く。
 生地はもっちりとして、中に詰まったカスタードクリームはとろ~りと。更にもっちりとした食感を感じたと思ったら、中に抹茶のはす餅が入っている模様。おお、蓮餅ですか。蓮餅といえば紫野和久傳の『西湖』を思い出し、そのイメージから涼味を覚える。この時期には良いですな。そして大納言小豆の食感もまた面白く。
 カスタードクリームの風味はしっかりとしている。単純に美味しい。それに負けじと抹茶の風味もしっかりしている。カスタードクリームのコクを伴った甘味と、抹茶独自の風味良き苦味がそれぞれに主張しているが、そのバランスが良い為に口の中で混ざり合うと見事な調和となる。若干、小豆の主張は薄く風味の中では存在感に欠け物足りなさは感じるが、充分に美味しく頂けた。

 この商品に使われている抹茶は「宇治の中井通夫さんが作られた有機抹茶」だそうで「どこぞの店舗の抹茶を使っている」という売り文句は良く見るが、個人名は珍しいと思い中井さんとは誰ぞ?とネット検索してみたら京都・和束町で有機農法でお茶作りをされている方で、化成肥料を使用しない育てられる有機抹茶はとても希少なのだそうだ。
「農業に携わる人々とともに、自然の恵みを活かし、「日本人の心に響くお菓子」を心を込めてつくります。」~五感サイトより~
 なるほど、抹茶の一大生産地である京都において、その中でも五感のコンセプトに合致したのが「中井通夫さんが作られた有機抹茶」だったのだろう。
 五感ならではの京都限定の一品にしっかりとなっているのではないだろうか。
 賞味期限は当日なので、遠方の方はお土産としてのお持ち帰りは難しいかもしれないが、お時間が合えば一度試してみてはいかがだろうか。

(2016/06/20)

五感ホームページ⇒http://www.patisserie-gokan.co.jp/

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