<ローストカカオ豆>

<店舗名:Dari K>
<価格:1200円(税抜き)>

 

 昨今の健康志向の高まりから、チョコレートの売場を眺めればカカオポリフェノール摂取を目的とした高カカオチョコレートの商品を多く見かけるようになった。
 カカオポリフェノールに期待される効果は、抗酸化作用による動脈硬化予防や肌荒れ予防。便秘改善やリラックスと様々。
 健康オタクなところがあるので、おめざ的な意味も込めて朝に高カカオチョコレート(カカオ含有95%)を食べるのを日課としていたのだが、ある時Dari Kの『ローストカカオ豆』と出会い――チョコレートでより高カカオを求めるぐらいなら、カカオ豆をそのまま食べるのが一番効率的なのでは?と、今では『ローストカカオ豆』を毎朝二粒食べるのが日課となった。

 封を開けると芳醇なカカオの香りが漂い、チョコレートはカカオの加工品であることを強く認識する。
 袋には外皮を纏った状態(写真中央の粒)で封入されている。食べる部分は、この外皮を割った中身(写真左の粒)となる。
 見た目はいびつ。その黒光りする輝きは、ともすると嫌なもの(想像にお任せします)を連想してしまいそうになるが、一笑にふして口へと放り込む。
 食感はナッツを食べている感覚と同じ。完全乾燥したジャイアントコーンのようなカリッという感じではなく、ピーナッツのような若干の生感を残してる。これは脂肪分の多さ故だろうと思われる。噛むとホロホロと身が崩れていき、砕かれるというよりも、擦り潰していく感覚に近い。
 口にした直後は明確な風味を感じることができないが、噛めば噛むほどにカカオの風味が口内に広がる。どうしても苦味が強い部分はあるが、その中に程好い酸味と、深いコクの味わいがある。なので、苦味が苦手な人にとっては、なかなか難しいかもしれないが、それを乗り超えられたなら癖になる味わいだ。
 日課となった現在では、この癖になる風味が一日の活動スイッチをONにする役割を果たしてくれている。
 なお、割った外皮はそのまま捨てるのはもったいない。Dari Kの店員さんから教わった方法で、割った外皮をある程度集めておいて(写真右の袋)紅茶と一緒に炊きだすと、カカオ紅茶の出来上がり。本当に良いカカオの香りが漂い、紅茶に特別なアクセントを加えてくれるので、一粒で二度美味しい、とはまさにこの事で。

 カカオ豆の商品としては以前紹介したカカオマジックの『ローカカオビーンズ』があるのだが、こちらはお値段が釣合わずに習慣とするには厳しかったが、『ローストカカオ豆』は経済的にも許容できる範囲だった(毎日二粒ずつ食べても一袋で一か月以上もちます)。
 調べてみると、世間にカカオ豆の商品というのは少ない。恐らくカカオ豆として商品化するよりも、加工してチョコレートにしてしまった方が利益率が良いのではないだろうか。Dari Kでもカカオ不足の際には、一時『ローストカカオ豆』の販売を休止してチョコレート製造に回していたという話を耳にした。
 そう考えると、チョコレートより手が掛かっていないにも関わらず、カカオ豆をそのまま食べられるというのは却って贅沢なのかもしれない。その上で、日課としても経済的に許容できる範囲の『ローストカカオ豆』の存在は個人的には実にありがたい。
 健康志向におけるカカオポリフェノール摂取の根本にして理想形?
 より高カカオをお求めの方は、ぜひ試して頂きたい。

 同店別商品:チョコレート・ヒル

(2017/11/18)

Dari Kホームページ⇒http://www.dari-k.com/

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