3色お豆のタルト

<3色お豆のタルト>

<店舗:一乗寺中谷>
<価格(税込):1050円>

 

「すいません、チーズタルトを予約していた者ですが」
「・・・タルトですよね?」
「・・・そうです」
 ・・・ん?俺ってチーズタルトって言ったか?・・・しまった、恥かいた!!

 そんな恥ずかしい思いをするぐらい、タルトといえばチーズタルトが真っ先に思い浮かぶ管理人の前に現われた3色お豆のタルト。うーん、うぐいす豆が鮮やか。
 この3色お豆のタルトを販売している一乗寺中谷は、和菓子屋のご主人の元に洋菓子職人の奥様が嫁いだことで和洋融合のお菓子を生み出しているお店。当然このタルトも只者ではなく、事前情報によるとなんと白餡が使われているのだとか。

 見た目は表面に飾られた3色の豆を除けば、至って普通のタルトのように見える。それこそチーズタルトといわれても疑わない。
 蓋を開けると同時に漂ってくる香りも特にはない。顔を近付けてにおいを嗅いでみても、まぁ、普通のタルトっぽい香りですな。これといって驚く要素にはならない。
 では頂く。
 まずはタルト特有の周りの食感を楽しむ。おお、これは良い硬さ。香ばしいクッキーを食べているような、そんな歯ごたえが管理人はたまらない。管理人好みの食感だ。
 そしていよいよ、大きく一口。――ん?――んんんんんっ??――本当に白餡だよ、おい。しっかりとした白餡の味わいが口内に広がる。よくよく切った断層をみてみれば、表面の生地の下に3分の2から4分の1弱のたっぷりの白餡の層がはっきりと見て取れた。これは白餡のパワーがある筈だ。そのパワーを感じつつ、よく味わってみる。 正直、最初は周りのタルト生地と白餡の組み合わせに戸惑いを感じた。何事でも慣れていないものに出会った時に感じる戸惑いである。ところが、徐々に戸惑いによる違和感が解消され馴染んでくると、またなんとも美味しい味わいだと思えてきた。白餡にパワーがあるといったが、決してパンチの効いた甘さのパワーではない。どちらかといえば、引きのパワーの強い甘さとでもいえばいいのだろうか。こちらが白餡の甘さに身構えるのではなく、引き込まれて求めてしまうような。だから、次々と口に運んでもしつこくなく、あっさりと平らげてしまえる。
 また白餡と共にアーモンドクリームが入っているとの事だが「アーモンド」と意識して味わうと、なるほどアーモンドだ、というぐらいに白餡に隠れてはいるのだけれど、きちんと味を下支えしているように感じられた。
 食感良し、味良し。とにかく箸が進むならぬ、フォークがすすんで仕方ない。あっという間に半分を平らげてしまったが・・・ものたりん・・・もうちょっとだけ・・・いや、もったいない。明日の楽しみにとっておこう。ってな葛藤を覚えるほどに、美味でございました。

 正直、管理人はあまり白餡を好んで食べない。餡で好きなのは断然粒餡だ。
 けれど、
「白餡も結構いいね」
 と思える一品だった。
 またぜひ近くを通る際には、購入したいものだ。

 同店別商品:絹ごし抹茶てぃらみす
          ざるわらび

(2008/08/03)

一乗寺中谷ホームページ⇒http://ichijouji-nakatani.com/

京都にての一品トップへ トップページへ