清浄歓喜団

<清浄歓喜団>

<店舗:亀屋清永>
<価格(税込):525円>

 

 『奈良時代、遣唐使によって伝えられた唐菓子(からくだもの)の一つで、団喜(だんき)といわれる。密教の祈祷の際に備えられる菓子。一般に「御団(おだん)」、「聖天(しょうてん)さん」とも呼ぶ。米粉と小麦粉の生地で餡をつつみ、巾着袋の形に整え、ごま油で揚げたもの。餡には、ハッカ、丁子(ちょうじ)、肉桂(にっき)など、七種の香りが混ぜられている。千年前の姿をそのまま伝える菓子の一つ――』

 京都・観光文化検定試験公式テキストブックからそのまんま引用してみた。そう、そんなお菓子なのだ清浄歓喜団(せいじょうかんきだん)は。以上!
 と、ここで締めくくってしまってはお話にならないでの、一応管理人なりの感想をば。。。
 要はだ、清浄歓喜団はどんぶらこっこ、どんぶらこっこと遠い唐から伝わった日本で最も古いお菓子の一つなのであり、それが現代でも味わえるというのだから、それだけでもなんとも貴重な体験だ。
 早速頂くため、包んでいた袋を開けてみた。途端、ゴマ油の香りがぷ~~んと漂った。もちろん嫌な香りではないのだけれど、これはちょっとくどいといわれても仕方ないぐらいの香りだな……なるほど。それにしても揚げているだけあって生地がカチカチだな。さて、どこから食べたらいいのだろうか?やっぱり巾着に例えると口の部分かなと思い、歯を立ててみた。硬い!!前歯だと厳しいので、奥歯で負けずに噛み砕く。ガリッ、とようやく割れた。咀嚼するたびにボリボリと頭に響く。この感じを例えるなら、焼き八橋がもう少し厚焼きになった感じ、とでもいったらいいだろうか。とにかく歯ごたえは抜群だ。なので管理人は嫌いではない。味については、これといった味付けはされていないようで、あえて言えばごま油の風味が口に残るぐらいか。
 巾着の口を平らげた上で、ようやく袋に至る。まず半分を噛み砕いて食べてみた。餡は漉し餡だが、上記の通りニッキなどが含まれているのでやや複雑な味わいがする。それでも主体は餡の甘さが出ているので、普通に美味しい。最後に残った部分をボリボリと食べた。ああ、なるほど、と改めて気付くのもなんだが、生地と餡を一緒に食べると、歯ごたえもあり甘みもありで一つのお菓子として調和され、別個で食べるよりも断然美味しくなる。なんか管理人的嗜好としては、この袋の部分のような硬い生地で包んだ餡子玉を販売して欲しい感じだ。

 正直な感想、一日に何個もとか、連日食べたいとかいうお菓子ではない。まぁ、そもそもがそのような目的で作られたお菓子ではないのだから当然だ。なので清浄歓喜団の価値とは、やはり長い年月を変わらない姿を保っているという部分なのだろう。
日本のお菓子のルーツがここにある。まさに食べられる歴史だ。
 一度味わってみるのも一興だろう。

 それにしても、口の中から餡子の甘みが去っても、ごま油の風味が全然消えない・・・やっぱりちょっとくどいか?

 同店別商品:星づく夜/星に願いを

(2008/08/10)

亀屋清永ホームページ⇒http://www.kameyakiyonaga.co.jp/

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