福久梅鰯&貝柱生姜煮

<福久梅鰯&貝柱生姜煮>

<店舗:紫野和久傳>
<価格(税込):各1470円>

 

 ちょいとある方に贈り物をしようということになりまして、何がいい?と尋ねたら案の定酒の肴ときたので、さてどうしたものかと考えた結果、以前「西湖(&朱玉)」を紹介した紫野和久傳さんに酒の肴になりそうなのが売っていたなと思い出し訪れ、そして予算に併せて贈り物を購入し、無事配送の手配を整えた。
 けれど、折角来たのに送るだけじゃ勿体無いというか悔しいというか、そんな訳で管理人用に今回は福久梅鰯(ふくめいわし)<写真左>&貝柱生姜煮<写真右>を買ってみた。お値段は共になかなかのもので、さぞや!との勝手な期待を抱く。

 さて、さっそく頂いてみる。
 まずは福久梅鰯から。開封した時に鰯の青臭さが漂うかな?と思ったが、そんなことはなく意外と無臭に近い状態だった。見た目は身崩れせずに綺麗な状態が保たれている。では一口。とてもしっかりと煮込んであるようで歯応えは柔らかく、骨までも違和感なく噛み切ることができた。味は山椒の風味が効いていて鰯の生臭さなどは一切感じられなかったが、かといって鰯の味がすべて殺されているというわけではなく、表面的な山椒の風味によるコーティングの奥に、噛み締めるほどにしっかりとした鰯の旨味が滲み出してくる。そしてその旨味の中には梅の酸味も含まれていて、鰯の旨味を引き出している感があった。
 ご飯というよりも、酒の肴として本当に合いそうな一品だ。管理人はほとんど酒を嗜まないのだが、噛み締めるほどに旨味を味わえるこの感覚からすると日本酒や焼酎などが合いそうだ。

 次に貝柱生姜煮。開封と同時に貝柱の美味しそうな香りが漂った。見た目は生姜煮にしているだけあって黄土色に染まっていた。では一口。途端に生姜のピリっとした味わいが口中に広がる。どちらかというと貝柱の風味は生姜に押されてしまっている感があるが、それでも完全に消えることはなくしっかりと漂っており、探せば必ず出会える。食感も貝柱のふにゃふにゃした感覚よりも、生姜のシャリッとした食感が楽しくメインを生姜が奪ってしまったようにも感じるが、それでもメインはあいくまでも貝柱だ。咀嚼していくほどに滲み出してくる貝柱の旨味は本当に美味しかった。
 これは酒の肴というよりも、白米に嬉しい一品と感じた。

 鰯と貝柱。共に素材そのものには独特な癖のようなものがあるが、その癖の捨てる部分は捨て、活かせる部分は活かし、上手いこと仕上げているなと感じられた。
 これぞまさに調理人の手腕の賜物とでもいおうか。
 そんな一品だけに安いものではないが、大切な人への贈り物にしてみるのもいいだろう。

 管理人は送り先より「美味しかった」との好評を得て一安心。

 同店別商品:西湖(&朱玉)

(2009/01/01)

紫野和久傳ホームページ⇒http://www.wakuden.jp/

京都にての一品トップへ トップページへ